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2025/08/28 15:41
自転車業界の間違った常識!?「完成車」ってどんな自転車のこと?
by: 石澤貴志
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ワイズロードオンラインの石澤です。
お客様からご質問をいただく中で、「あれっ?」と思うことがありました。
今日はご説明のうえで受け取られ方が変わってしまう、とある用語についてのお話をしましょう。
目次
ワイズロードオンラインで車体もご購入が可能です!
北は宇都宮から南は福岡・天神まで店舗を展開しているワイズロード。
店舗でスタッフが詳細なご案内をいたします店舗での受け取りももちろんですが、オンラインサイトから車体をご注文いただくことで、日本国内各地に車体を配送してのお届けも可能です。
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お客様の希望する車体の使い方や身長、ご予算などをお知らせいただければ、いただいた情報に合わせて車体をご案内いたします。
そんなチャットをはじめとしたお問い合わせの中で、ちょっと気になる質問を何度かいただくことがあります。それは…
「この自転車、完成車で届きますか?」
というもの。
実はこの質問、スタッフからするとピンと来ない質問なのです。
なぜかというと、商品の解説ページを見れば、完成車であることは一目瞭然だから。
「いやいや!見てもわからないよ!商品が届くまで完成車かどうかなんてわからない!」
という方もたくさんいらっしゃるでしょう。
でもこれ、わたくしも同じようなご質問を複数回いただくまで、その認識の違いをよく理解できていませんでした。
そしてご質問にお答えしていく中で、あることに気づいたのです。
業界で使われている「完成車」とユーザーの方が指す「完成車」は意味が違う
ということに。
「完成車」という言葉は、車体の輸入・卸を行う「輸入代理店」と、我々ショップ(販売店)の間でやり取りするために生まれた業界用語です。
それがユーザーの間にも浸透していく中で、意味が変わって広まってしまっているのです。

あなたが「完成車」と書いてあるときに思い浮かぶのは、たぶんこの状態の自転車でしょう。
確かに私たちも、この状態のものを「完成車」と呼びます。
でも、私たちにとっては下の状態も「完成車」なんです…!

「えっ??ナニコレ!完成してないじゃん!!」
とお思いになるでしょう。でもこれは「完成車」です。
さらに言うと、これも「完成車」なのです。

「…箱じゃん!!!」
ええ、そうです。箱に入った完成車です。
実は本来、「完成車」とは「フレーム単品ではなく、メーカーがパッケージとしてすでにほぼ全てのパーツをアッセンブルしてある自転車」を指す言葉なのです。
ここには「自転車の形になっているか」とか、「乗れる状態にまで組み立て整備がされているか」という意味は含んでいません。
業界用語である「完成車」という言葉がユーザーにまで広まる間に、「組み立て整備がされていて、乗れる状態になっている」という意味がくっついたようです。
この温度差のせいで、私たちのご案内では
「この完成車は整備されていないので、お渡しまでお時間をいただきます」
という、お客様からするとちょっと意味の伝わらない(けどスタッフからすると理路整然とした)説明が飛んでくることがあるのです。
完成車という言葉はなぜ生まれた?
実はこの「完成車」という言葉が世に広まったきっかけ、私たちワイズロードがちょっと関係していたりします。
四半世紀ほど前にさかのぼりますが、当時のロードバイクブランドでは、
・フレーム単品販売をするブランドはフレーム単品販売のみ
・完成車の販売をするブランドは完成車のみ
の形態で商品を販売していることが普通でした。
主にヨーロッパのロードブランドは全社、北米のブランドは後者が多かったと記憶しています。
(余談ですが、フレームメーカーであってもカーボンフォークを自社開発できるブランドは多くなく、ルックやタイム、あるいはミズノなどのフォークメーカーのフォークをアッセンブルして販売することが一般的でした)。

こちらのフレーム単品販売のように、メーカーはフレームとその周辺パーツ(多くはフォークやヘッドパーツを含みます)だけを出荷し、それをショップで組み立てる、いわゆる「バラ完」という販売形態が今より一般的だったのです。
各メーカーごとに「フレーム単品販売しているのが当たり前」もしくは「完成状態で売っているのが当たり前」だったため、「完成車」という言葉は今ほど多用されていませんでした。
なので、自分が欲しいブランドがフレームしか売っていない場合、ユーザーはパーツ構成を考えてショップに相談し、それを受けてショップがパーツを集め、組み立ててから受け取る必要がありました。
使うパーツを自由に決められる融通の良さはメリットですが、規格や互換性の確認に知識と時間が必要で、初心者にはハードルが高い販売形態だったのも事実です。
そんなブランドをお買い求めやすくしよう!と打って出たのが、当時のわが社。
フレーム売りしかしていなかったヨーロッパブランドを中心としたモデルに弊社で集めたパッケージのパーツを組付け、完成状態にして店舗で販売したのです。
憧れのブランドのハードルを引き下げたオリジナル企画の完成車は大ヒット。
そんなムーブメントを各ブランドの輸入代理店も興味を示し、「ならば弊社で完成状態にして売り出そう」と言い始めたのです。
こうして多くのブランドでフレーム単品販売と完成状態が併売されることになり、(整備状態ではなくパッケージの区別のために)「完成車」という言葉が一気に一般化したのです。
組み立て整備はしているの?
「完成車」という言葉が整備状態を指す言葉ではないことの由縁については、このお話でお分かりになったことでしょう。
では、ワイズロードで買った車体は、組み立て整備は完了しているのでしょうか?
答えは、もちろんイエス。
ワイズロードでご購入いただいた車体については、すべて組立整備を終えた状態でお渡しをしています。
「この自転車、完成車で届きますか?」という質問に対して私たちスタッフがピンとこないのは、「完成車」という言葉が指す意味が違うというだけでなく、「自転車は整備してからお渡しするのが当たり前だから」という認識もその一因なのです。
店頭でのご注文やワイズロードオンラインからの「店舗受取」の場合は、それぞれのお渡し店舗のテック専任スタッフが組み立て整備を担当。
車体をお届けし、ご自宅などで受け取れる「配送受取」の場合は、オンラインのテックセンター担当メカニックが1台1台組み立て整備を行っています。
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「もともと業界の中で使われている用語を、お客様が別の意味で使ってしまう」ことから生まれた誤解は無事解けたでしょうか?
完成車のご購入をお考えの皆様のご参考になれば幸いです。










