日本最大級のスポーツサイクル専門店!関西地区品揃えNo.1ショップ!
2016/11/19 01:04
今年も参戦して参りました【ツール・ド・おきなわ市民210km】
レースに興味がある方なら、誰もがその名を聞くであろう【国内最高峰】のレース!
今年の210kmに関しては、370名程の参加となりました。
その集団が時速50km/hで、町の中海岸沿いを駆け抜けていくのはもうツールの世界そのものです。そして、これはサイクリングではなく、レースであり、各所に【関門】が設けられ、タイムアウトするとその時点でレース終了となります。強豪選手はどうかわかりませんが、一般的にみて難易度はメチャクチャ高いと思います。
11月で本土では、気温が朝方10度を切ったりするところもありますが、沖縄のレース最中の気温は30度超えの夏日。
この温度差も難易度をあげている要因の一つでもあるかと。
他にも色々な距離、年齢別のレースもあったりで、
このイベントの参加者は4500人以上にもなり、大変盛り上がります。
さて、そんな市民210km。
例年にも増して今年は出場選手のレベルが高い!!
もはや、有名すぎる優勝候補筆頭の最強サラリーマンレーサー高岡選手、乗鞍連覇の【山の神】森本選手、元・TT全日本チャンピオン中村龍太郎選手、現・JPT(J・プロツアー)選手数名、先の輪島ロードにて弱虫ペダルサイクリングチームの岡選手を下した寺崎選手、E1にてイエロージャージ争いを繰り広げられ松木選手・・・他、昨年度の上位陣を除いても格上すぎる面子がびっくりするくらいに参加しております。
これは、始まる前からヤバい予感しかありません…。
一方、私はというと、一部の方はご存知なのですが、寝不足に練習不足。
最悪ともいえるコンディションで迎えることになりました・・・。
(前置きが長くなりました)
【前日】
昨年と同じ、チームメイトのよこやんこと横田選手と、もう5年も一緒に沖縄へ行っているIさんの3人で。
輪行袋はもはや私と言えばこれ!
布切れ一枚。
いつかやらかすかも知れません(笑)
朝7時に空港集合というこで、移動時間もいれると3時間睡眠で起床。
那覇にてレンタカーを借り、機材チェック、受付を済ませ、車で試走へ。
この試走がなかなか重要でして、工事個所を把握しておく必要があります。
そうでなければ、突然狭くなる道幅により落車のリスクは上がりますからね。
・・・なのですが、ここ最近の睡眠不足が溜まったのか、あっさりと意識を失う=爆睡
試走の意味なし。。。
【当日】
昨年度の順位が反映され、優先的に前列で並べる【シード権】を獲得している為、昨年ほど早起きする必要がない。
よこやんが昨年と同じく、前に並ぶために早起きするなら、一緒に起きて行くつもりでしたが彼はそれを選ばず。
昨年より約1時間遅い出発時間に、到着時間。
(写真は別クラス)
それでもスタートの1時間15分程前に着きましたが、既にかなりの方が並ばれている。
この、前方に並ぶということは市民210kmにおいてかなり重要です。
道いっぱいに370名もの選手が密集して走るのですから隙間がありません。つまり、後方からは非常に上がりづらいのです。
後方にいた場合に、先頭が加速し、途中で中切れが。落車が起こってしまった場合・・・最悪その時点でレースに絡めなくなることもあり得ます。(強い人、上手い人は山岳地点までにあがってきます。)
photo by Makoto Ayano
私は30分ほど前に、シード権を使わせて頂き、前列の方へ入らせて頂きました。
そして、午前7時45分朝日とともにスタートです。
photo by Makoto Ayano
この遥か後方までが市民210kmの選手です。
毎年ですが、スタートから70km地点、山岳に入る所までが個人的には一番神経を使います。
時速50km/hになることもある、高速走行中の超密集状態の中での加減速、前だけではなく、左右、後ろの位置関係にも神経を張り巡らせながら、前に上がったり、下がったり。
一瞬の判断ミス、油断が即落車に繋がり、リタイアへと・・・。
photo by Makoto Ayano
昨年よりも上手い位置取り。
しかし、後ろでやはりと言いますか・・・大落車があったもようで。。。
(この落車により優勝候補に名を連ねられていた方もリタイアを余儀なくされてしまったようです。)
スタートしてからは、よこやんの姿は見えず・・・まさか巻き込まれてないやろな・・・と祈る。
同僚の永尾店長、村松さんとは近くになり、少しお話しをすることはできたが、やはりいつ落車に巻き込まれるかわからないので緊張は続く。
photo by Makoto Ayano
それは有力選手にも起こり、目の前で【山の神】森本選手が道路中央のポールに接触。
(集団の真ん中は前方の障害物が見えない。)
スライディング形式で落車。
まさか・・・
そのすぐ後に、有力選手がトイレ休憩にいく動きを。
そして集団のペースが緩む。
(優勝候補ともなる有力選手がトイレ休憩にいくと、フェアに集団はペースを落とし復帰を待ちます。)
そのトイレ休憩に私も便乗。
photo by Makoto Ayano
本当に集団に復帰できるか不安ではあったが、10名ほどの集団に混ぜてもらい難なく復帰。
最後尾から前方あたりまでも、スルスルとあがっていけた。
Fin`s様より拝借。
途中で視線を感じ、横をみると、見たことある選手がこちらジッーと見ている。
挨拶をすると、向こうも挨拶をしてくれ、少しだけお話を。
どうやら、私によく似た選手と間違えられたそうです。
そのお話をした選手というのが中村龍太郎選手。(元・TT全日本王者)
すごく気さくな方で、物腰も丁寧。こりゃ、ファンも多いはずと頷けました。
レース中の貴重なエピソード。
そんな呑気なのもここまでで。
人数が絞られ始める山岳(2度この山を上ります。)へと突入。
標高差300mほどで17分~22分くらいの上りでしょうか。
最低でも先頭が見える位置で上らなければ、その後に続く下りとアップダウンで一瞬で離され、
その時点で先頭集団からは脱落です。
photo by Makoto Ayano
一回目の上り。
ここで、永尾さんの位置を確認。
そして、すぐ横には今年の乗鞍チャンピオンクラスでも入賞、他多くのレースでも優勝している強豪・板子選手が。
上り方は違うけれど、ほぼ同じようなペースで山頂へと。
この山のポイントはKOM(山岳通過ポイント)通過後に、高速のコーナーリング&アップダウンが始まり、それをこなした後に補給所(水分のみ)があり、そこを上った後にホントの下りに入ります。
最高速度は時速70km/hを超える下り。
私にとって下りのコーナーリングは武器の1つ。
曲がり切れないことはなく、マージンも保っている。
焦ることなく先頭集団前方へと。
近くには木祖村でチームを組んで頂いたT岡選手。ニールプライドの水野選手もいる。
くくく。
これは、やはり楽しくも激戦の予感。
そこから海岸沿いを走り再び山の中のアップダウンを越え、二度目の山岳へと入っていく。
海岸沿いにアップダウン区間で何度か先頭が回ってきたりで、昨年に続き貴重な経験を。
全く先頭に出てこず順位のいい選手もいる中(それはそれで作戦なのかもしれませんが。)、高岡選手他、数名の強豪選手と共にレースを走り、作っていく。
強い選手はこういうところも流石だな~と感心しておりました。
そして、昨年とは展開が違うとも思えた。
なかなかの大人数である。
そうこうしていると
おそらく、ペースが上がるであろう二度目の山岳へと突入。
昨年は頂上前に両足が攣って、置いてけぼりとなったこの上り。
今年はどうか。
先にも述べましたが、コンディション最悪で上りがやたらと苦しい。
それでも、
先頭が見える位置には着く。
その集団の後方でクルクルと回して山頂通過を目指す。
中村選手、板子選手が視界に入っている。
高岡選手、森本選手は・・・見えないな。おそらく集団前方だな。
注意しないといけないのは、この集団は既に縦に伸びている。
少しでも遅れると命取りになる危険がある。
そう思いながら、KOMを通過。
心拍がヤバいくらいに上がっている。
と同時に前が猛烈に加速!
心拍が跳ね上がっているところから、踏まされる辛さ。
踏まなきゃ、間違いなく離される!攣らないにしても昨年の二の舞。
コーナーリング超キレキレだったと思います。
コーナーを越える度に、確実に前との距離を縮め、集団をキャッチ。
心臓爆発しそうな苦しさ。
(この途中の高速コーナーで前方2名程が落車。無事と早期回復をお祈りいたします。)
と思ったのもつかの間!
更にその前に8名ほどの集団が見える。
photo by Makoto Ayano
シルベストサイクル松木選手の左側にイエローの靴下と腕が見える・・・私ですw
そこから、更に踏んで、コーナー攻めて、何とか補給ポイントまでに先頭をキャッチ。
脚使ったー。
心臓痛いー。
しかーし!
昨年落ちたところはクリアしたぞ!
おそらく人数は20名ほどに絞られている!
ここからや
ダウンヒル開始。
心拍が跳ね上がり、200を超えている・・・踏めない。
前との差を詰めてくれたのはニールプライドの水野選手。
この人ホンマに強いわ・・・。
ありがとうございます。
そして、スンマセン。
ここは時速80km/hオーバーの下り。
ホイールバランスを取っている私のホイールは特に高速時の安定感と伸びが抜群によいのです。
ここでも・・・
後方でおそらく、曲がり切れずなのか、何なのか・・・ガードレールにぶつかったような音が・・・。
おいおい・・・この速度で落車はまずいやろ・・・。
そうは思うもののレース中、何もできません。
そのまま少しの平坦を越え、セレクションがかかると言われているアップダウンへと。
ここがまたキツイ。
高岡選手・武井選手が、ドンッとペースアップ。
脚回復してないのにペース上げられた!
強えぇ・・・。
何とか。
ホントに何とか。この上りを耐え凌いだ。
と思っていた。
が・・・その先に延々と上りが続いて見える。。。
この時、ヤバいと思った。
コースを把握していない・・・。
先がどれだけあるのか知ってるのと、知らないのでは、その後の動きが大きく変わる。
耐え凌いだかにみえた区間であったが、高岡選手他、有力選手の上りでのハイペースは続き、
遂に私の脚が回らなくなり、ペースダウン。
同じく、この区間でこぼれた選手が10名ほど。
そこには元・プロがいたり、E1優勝者がいたり・・・私以上の実力者も含まれていました。
210kmロードレース。
実力だけでなく、本土とは違う温度差。
コースを、地形を、熟知できているかの差。
冷静な判断ができるか。
何が起こるかわからない、全てが問われる長距離ロードレース・・・。
加えて、練習量の差がここにきてモロに響いている。
練習した距離以上になると踏めなくなる。
また、学ぶことを学びました・・・。
撃沈。
そして脚が攣り始める。
脚攣り対策に、今年は夏前からミネラル系のサプリを摂取してきた。
そして、BCAAを大量に持ってきていた。
なのにー。
攣ってもーた!!!
太ももが蠢いてきている。
ここからが、脚が攣ってからが昨年と同じく試練。
違うのは、
体の使い方を変え、フォームを変え、今シーズンはやってきたこと。
別の筋肉を動員することで、ペダルを回せる。
(この時点では何とか。)
photo by Makoto Ayano
昨年と同じような位置で同じ選手と合流。
一応、知っている仲(?)なので声はかけやすい。
私の脚の状態を見抜いてか、ウォークライドのお方が超紳士。気遣って頂き、ありがとうございました。
尊敬します!
綺麗に回らないながらも、脚を戻しつつ、幾度ものアップダウンを越えていく。
絞られてからの先頭集団のペースが更に強烈だったのか、なるしまフレンド小畑選手が落ちてくる。
更には、中村龍太郎選手も止まってしまっている。
一番驚いたのは、2014年度に高岡選手と海外プロ選手とデッドヒート繰り返していた【山の神】森本選手が、上りの途中でバイクから降りていたこと。
落車の影響も少なからずあるでしょうが・・・210km恐ろしい・・・。
photo by Makoto Ayano
その中には昨年3位の選手もおり、この集団に合流。
(後で知ったのですが、先頭でのドンパチ中に落車されたそうです。)
繰り返されるアップダウンの中で消耗し、また前から落ちてくる選手を拾っていく我々第二集団。
その中から、3名の地脚のある選手が抜け出す形へと。
(明らかに脚が違いましたしねぇ。)
残された私を含む10名程がそこから更に追いかける?
…というよりかは、何とか回している?状態。
今年はフォームを変えたから、腰の痛みはない。
昨年に引き続き、股間とお尻の痛みは最大級。
爆発寸前というか、もはや限界を超えてなくなった感すらある。
10名ほどいるのに、先頭が私を含め、なるしまフレンドの小畑さんと、411番高橋選手、ニールプライドの水野選手に固定されている・・・。
こっちはもう脚バキバキなのですが・・・。
皆さま、まさか最後の上りの為に脚を溜めているなんてことは・・・。
なんて思いながら、
最後の、羽地ダムの上り前の、長い上りの橋にかかる。
その通りでしたー。
みなさま、さようなら~。
というのも、
そこで、とうとう別の筋肉を使っていたところが、ビキーンと攣り始める。
もはや、お尻から下の筋肉は全てが攣っている。
ペダル回せる筋肉がどこにも残っていない。
あかーん!
もうマジでバイク降りようかなー。
そう思い、虫の息状態でゆったりと脚を回してみる。
すると、ふくらはぎの筋肉を休めていたからか、虫の息さながらも、何とか踏み下ろせる。
(今年は安全ピンのお世話にはなりませんデシター。)
橋の上の観客の声がありがたい。
見ず知らずの自分を応援してくれるとは。
思えば・・・昨年もここから完全に一人やったよな。
今年もそのまんまリターンズやないか。
ほんまにその通りで、ここから最後のゴール地点まで数10km
一人旅確定。
前に2名見えている、前二人も相当に辛そうなのが遠目からでもわかる。
あの二人に追いつく。
それを目の前の目標とし、踏ん張る。
上って、下って、・・・でも前との差は開いていき・・・。
それでも!・・・と踏み続け、市街地へと帰ってきた。
誰もいない。
いるのは違うクラスの選手たちばかり。
死んだような体のわりに、速度は乗っている。
ラスト3kmで再び前2名を目で捉えるも、ラスト1kmを切っても決定的なスプリントの距離まで詰められず。
最後のゴールは、渾身のヘロヘロ~な状態でゴールラインを通過。
ツール・ド・おきなわ市民210km:19位
Time:5:33:10.091
Ave:37.81km/h
距離210km / 獲得標高3000m
今出せるものは全部だせた・・・ハズ。
ゴールには顔見知りのMCがおり、
お店と私の名前を呼んでくださいました!!
ありがとうございます!
バイクから降りることさえもままならない。
あー。脚の筋肉全部使ったー。
動けない。
関節曲げようものなら、バキボキで脚全ての筋肉が攣りそう。
というか、攣る。
昨年と同様、ゴール後はもう出なくていいやと思うのですが、ちょっとすると、また出たくなるこのレースの素晴らしさ。
最初にも述べた通り、コンディション、練習量は残念なものでした。
秋ごろから思った通りの練習ができなくなり、10月の実走行距離は700km、ローラーを含めても月間1000km乗れたかどうかでしょう。
11月に入ってからは状況は更に悪化。
2週間あったのに、レースまでに実走2回(計140kmほど)、ローラー2回(計90分程)という、調整どころかもうグダグダのコンディション状態。
上位の選手たちからすると、私の練習量は圧倒的に足りていない・・・。
それでも社会人レーサーとして、挑戦した沖縄。
この練習量ながら、昨年超えられなかった箇所を超えられた。
コンディションは最悪でしたが、順位は過去最高のものとなりました。
時間がない中で、パワーメーターを用い、沖縄に出ることを想定して続けてきたトレーニングの成果ということにしておきましょう(笑)
注意※ 実力だけでみると、私の順位は奇跡に近い。
まぁ、色んな要素が含まれた結果ということで。
≪しっかりと練習できていれば・・・どんな結果だったかな・・・?≫
そう考えると、残念な気持ちになりますが、それを考えたところで何も変わりません。
私よりも実力のある選手が、落車しなければ・・・。そう思うこと。
もしくは、私以上に準備をしてきた選手が、リタイアを余儀なくされた悔しさからすると、私の“たられば”は贅沢ですね。
もちろん、その順位には実力以外にも運的要素も含まれます。
ですが、それがロードレースであり、面白さでもあります。
毎年ご同行させて頂いているIさん。
一緒のレースに出たよこやん、永尾店長、村松さん、また別クラスで走られた白井さん、相川さんお疲れ様でした。
ちなみに、膝痛を患っていたよこやんは完走。
昨年、無念のリタイアをされた永尾店長も素晴らしい順位で完走。
村松さんは無念の完走できずとなりました。
全員集合で写真を撮りたかったのですけどね・・・。
2016年度ご声援を頂いた皆さま、そして、レースに出させてくれてるスタッフのみんな。
これにて今季のレースは終了です。
ありがとうございました。
Support BRAND
ヘルメット:UVEX Race5,
アイウェア:UVEX Sportstyle 104v
アイウェアフィッティング:眼z 井上様
・使用サプリ
glico :エキストラビタミン&ミネラル
・使用機材
フレーム:PINARELLO:Dogma65.1
コンポ:SRAM Red22
ホイール:Xentis XBL 4.2カーボンクリンチャー
タイヤ:コンチネンタル GP4000sⅡ
チェーンオイル:CDJチューニングオイル
パワーメーター:キルシュベルク様より Power Tap P1ペダル
カスタムパーツ:CDJビッグプーリー RED22
沖縄に間に合わせてくださり、ありがとうございました。
私にとって、このパーツはもはや必須。
志木店野澤先生より頂戴した Dogma 65.1用 軽量スペシャルゼッケンプレート
<おまけ>
レース二日後。
ぼろ雑巾のような状態。某所にて・・・
元・全日本ロードレース王者と遭遇。
私、終わったな・・・笑。