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【スタッフバイクカスタム】シマノ鈴鹿TTに向けて合法ドーピング「ビッグプーリー/メルトWAX編」
by: 大槻拓摩

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上野本館の大槻です。

先月頭に増車したMyTTバイクのTRINITY。
今月末に開催されるシマノ鈴鹿ロードのタイムトライアルに出場するため、気持ち程度ですが(?)機材ドーピングをしていきたいと思います!

特に今回は駆動抵抗を減らすためのカスタムをメインにしていきます。

Molten Speed Wax・Race Powder 

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SPEED WAX:4,950円(税込) Race Powder:6,050円(税込)

モルテンスピードワックスは熱で溶かしてチェーンをドブ付けにするタイプのチェーン潤滑剤です。今年のツールドフランスで多くのチームが某S社のメルトWAXを使用していたそうですが、モルテン社のメルトWAXの先駆けになった商品と言っても良いでしょう。
高純度のパラフィンをコーティングの基礎とし二硫化タングステンを潤滑主成分に加えることで、耐久性の高い低抵抗被膜を形成します。レースパウダーは施工を済ませたチェーンにレースパウダーを盛ることで更なる低抵抗が実現するというもの。(モルテンWAXとあわせて使用する必要があります)
完全脱脂と湯煎というトップクラスのめんどくささを誇る施工方法ですが、トライアスロンや海外のヒルクライムガチ勢の中では定番のカスタムになっているとか?最速を求めるのためにはやらない手は無いので実際に使ってみます。

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針金に完全脱脂を済ませたチェーンを通して湯煎の準備をします。
(絵面がすごい)
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ワックスの固体を溶かして闇のクッキング開始です。
1分弱チェーンを揺すりながらコマの中まで浸潤させます。
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取り出して冷ましたら固まったリンク部分を手でほぐしてやります。
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レースパウダーを適量ふりかけてブラシで薄く伸ばして完成です。
※20分ほど慣らし運転が必要です

CERAMIC SPEED OSPW AERO ALPHA

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¥119,900-(税込)

お次はセラミックスピードのエアロビッグプーリーです。大型のプーリーホイールを使用することでチェーンの屈折角度が緩やかになることで駆動抵抗が小さくなるというもの。プーリー内部のベアリングへ汚れや水分が入らないADRを採用しており、外部からの異物で回転抵抗を害さない画期的な仕様のため究極の低抵抗が低頻度のメンテナンスで長続きします。
プーリーが露出しないエアロケージはバイク前方で受け流した空気を乱さず後方に逃がす作用があり、40km走行時にノーマルケージと比べて7秒以上のアドバンテージを得られます。
なにより見た目がイカつい。

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RDをバイクから降ろし、トルクスレンチを使って交換します。
他のブランドのビッグプーリーを使っていた頃は、プーリーケージがたわみやすく変速性能が著しく落ちてしまったり、スプリント中などの高負荷時に変速しないなどの問題が発生したことがありました。今回取り付けるこのプーリーケージは、触った感じかなり剛性感がありそうなので変速性能にも期待できそうです。
まぁTTバイクでガチスプリントすることなんて無いですが()

完成したので細かく見てみよう(いろいろパーツ追加しました)

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駆動系はバチバチに仕上がったと思います。当初予定していたROTOR製60Tのクソデカチェーンリングもまとめてインストールしました。
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チェーンリングの大型のものに交換をしたことで、チェーンウォッチャーがキャパオーバーになってしまったのでウルフトゥースのチェーンウォッチャーを導入。チームヴィスマも使用するこのチェーンウォッチャーはバイクのエアロを阻害しないスリムな形状で調整も簡単です。グラベル用途などの小さいチェーンリングに対応したサイズ展開があり、フロントシングルユーザーは必見です。

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純正のサイコンマウントはライトの取付が出来ません。見た目がゴテゴテになりますがレックマウントのTTバイク向けマウントを取り付けました。

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タイヤはお気に入りのアジリストFASTに交換、ラテックスチューブを入れて乗り心地と転がり抵抗を改善。

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仮のロードサドルからTT向けの分厚いサドルに交換しました。
プロロゴのT-GALE CPCをチョイス。サドル中央部の滑り止め(CPC)が前乗り時の安定性を向上させ、トルクフルなペダリングを可能するのが目的です。

駆動抵抗は減っているのか?

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作業を済ませて軽く転がしてきました。
ベンチ台による実験ができるわけではないので抵抗軽減を証明することは出来ませんが、間違いなく効率が良くなっていると思います。

手でペダルを回転させたときの抵抗感が少なくなりペダリングの感触が格段に良くなりました。
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セラスピのビッグプーリーは、取り付けの際にケージのテンションスプリングを4段階で調整ができるため変速性能優先でテンション強めでセットする、もしくは抵抗優先でテンション低めでセッティングするかを任意で設定できます。今回下から2番目のセッティングで試しましたが、ローギアでの変速がもたつくので何処かのタイミングで設定変更してみます。

それよりも良いと感じたのがWAXコートによるチェーンの歯離れの良さです。今回メルト系WAXを初めて使用して、オイルを使用しない潤滑はギアとチェーンが貼り付きが少なく抵抗が低いと知ることができました。(チェーン表面の油膜による表面張力的なやつ)
以前にも滴下するタイプのWAXルブを使用していた時期もありましたが、使っていくとセラミック粒子など潤滑成分が粘土質になってしまい、反って抵抗になってしまうことがありました。メルト系WAXはチェーンにガッチリ定着するため、粘土質になることもなくチェーン表面のツルツル状態が続くことで歯離れが良く感じるのではないかと推測します。(おまけ程度ですが使用過程で出たカスも比較的掃除しやすいのもメリットだと感じました)

ウェット系ルブを好んで使用していましたが、今後も決戦用であればメルトWAXを使っても良いかもと思いました。


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固定ローラーを持っていないとポジションチェックも工夫しないとできないのどうにかしたい
ポジション調整を含めTTバイクのカスタマイズはとにかく金額の掛かるパーツが多いため1度に多くの検証をすることは出来ませんが、気になったパーツやエアロのためのピースが手に入ったら積極的に紹介したいと思います。鈴鹿サーキットでのレース当日の様子や、更なる導入予定パーツについても記録していきたいと思います。

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