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Cannondale SYNAPSE LAB71 に乗ってみた。
by: 間野 友輔

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最近、エンデュランスロードバイクというジャンルの存在感が急激に薄れています。それというのもレース志向のロードバイクがディスクブレーキ化とタイヤ幅の拡大をしてきたことで、長距離での乗り心地が劇的に向上していることが理由のひとつ。もうひとつはグラベルロードバイクとの垣根がなくなってきていることも挙げられます。

そんな現在においてもエンデュランスロードバイクを作り続けているCannondaleは今年、新しいSYNAPSE CARBONをリリースしています。

CannondaleといえばロードバイクはSUPERSIX EVO 、グラベルレーサーにもSUPER Xなどを出しているのですが、そんなラインナップのなかでモデルチェンジしたSYNAPSE CARBONはどんなものなのか、試すことができました。

 

Cannondale 2025
SYNAPSE LAB71 SmartSense

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カラー:Black Marble(BMB)
試乗車サイズ:51、サドル高700mm
(国内展開サイズ:48、51、54)
メーカー希望小売価格¥2,288,000(税込)

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LAB71とは何ぞや?

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なぜに『LAB71』の表記がモデルネームの後ろに来るのか、前にあるのとは何が違うのかは、よく分かりません(笑)

よく誤解されていることとして、『LAB71』というのは素材を示す表記ではありません。キャノンデールが最高品質のバイクに付ける称号です。

素材表記と誤解されている理由は、最初に登場したLAB71 SUPERSIX EVOが新しいカーボン素材『シリーズゼロカーボン』を採用していたことが原因かと思います。しかし実際のところ、これまで日本で発売されているLAB71のうち、SUPERSIX EVOとSUPER Xは『シリーズセロカーボン』を採用し、TOPSTONE CARBONとSCALPEL、SYNAPSEは『シリーズ1カーボン(Hi-mod)』を採用しています。また、UCIワールドツアーチームのEF EDUCATIONに供給されるLAB71 SUPERSIX EVOも『シリーズ1カーボン』フレームです。

で、今回試乗できたSYNAPSE LAB71は、『シリーズ1カーボン(Hi-mod)』です。その代わり、塗装の美しさやアッセンブルされるパーツ類には妥協がなく、そのため完成車はLAB71 SUPERSIX EVOよりも高額な228万円!

 

インプレッション

今回は新しくなったSmart Senseに関してはあまり触れません。日中、明るい試乗コースで乗っただけですので。ただ、サイズ感は凄く良いですね。前のライトは非常にコンパクトになり、リアビューレーダー兼テールライトもとてもスマートです。

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前世代のSYNAPSE CARBONはあまりバイク性能に関してのアナウンスがなく、Smart Senseの機能に話題が集中していました。実際、ロードバイクとしての性能は可もなく不可もなく。率直に言ってしまうと、世界的に『バイク本体は何が良いのか分からない』という評だったと思います。

さすがに今回はしっかり作りこんできたと思います。

 

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装着されたタイヤは32CのVittoria CORSA PRO CONTROL。幅だけ見ればわたくしの所有するSUPERSIX EVOスタンダードモッド と一緒です。リム幅が広い分、実測タイヤ幅はもっと広いはず。ということは、スタートはもたつく……?

そんなことなく、かかりのよいスタートですいっと加速してくれます。ただこれだけだと、ホイール(Reserve 42|49 Turbulent Aero)の良さかもしれません。巡行、加速、減速して再加速などを繰り返しましたが、反応性は良好でした。

しかしこのバイクに求められる走行性能って、実際には加減速ではなく高速巡行が大事なはず。というわけで、ふだんの自分の巡航速度より気持ち速めでひたすら漕いでみましたが、なんか気持ち良いですね、これ。エネルギーロスを感じないというか。前世代よりより洗練されたエアロ形状になり、空気抵抗がだいぶ減っているような気がします。風洞実験ではないのであくまで感覚ですが。

あと、コース中には180度コーナーが2カ所あるんですが、ここでの旋回のスムーズさと再加速もなかなか気持ち良かったです。

今回の試乗コースは例年どおりの舗装路で、路面の荒れなどはなく、SYNAPSE特有の乗り心地の良さに関しては十分に感じる環境ではなかったですが、スムーズで疲れが少なそうだなという感触は得ました。

 

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うん、このバイク良いですよ。
だいぶデザインも洗練されましたし、SUPERSIX EVO と比較してもちゃんと走るし。ロングライドがメインの方なら、Stash Port(フレーム内収納)もあるし、SYNAPSE選んで欲しいですね。

 

グラベルバイクとの棲み分け

このSYNAPSE、タイヤクリアランスは700Cの場合で40mmあります。ええ、5年前のグラベルバイクと互角です。じっさい、今年のニセコグラベルではキャノンデールのスタッフがこのバイクにグラベルタイヤを履かせて走り切っています。

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このSYNAPSEの比較対象としては、やはり今年デビューのグラベルレーサーSUPER Xになるかと思います。この試乗会の3週間ほど前にLAB71 SUPER Xを入手して乗っている身としては、評価が難しいところです。SUPER Xも舗装での走行性能はかなり高いです。レースでの高速巡行性を重視しているので、やっぱり速いし疲労蓄積も少ないのです。

実際のところ、わたくしのLAB71 SUPER Xがオールロードに寄せて組み上げられていることもあって、差別化するのを難しくしてしまったのですが、おおむね下記のような感じかなと。

SYNAPSE CARBON……タイヤ幅30~35mmくらいのロードタイヤが最適。舗装路ロングライドで長距離になればなるほど巡行性で優位性が生じる。40mmのグラベルタイヤを履けば整ったグラベルで遊ぶことも可能。

SUPER X……タイヤ幅40~45mmくらいのグラベルタイヤが最適。グラベルレースからグラベル混じりのロングライドに最適。35mm程度のロードタイヤでエンデュランスロードバイクの代用としても使用可能。

どちらのバイクもかなり荒れたグラベルには適さない車種で、高速域で遊ぶバイクとなっています。

 

おまけでXPLRの感想

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実は今回はじめてロード仕様のSRAM 1×13Sに乗りました。リアディレーラーがMTB系になっているものは乗ったことがあるのですが、そういう純粋にグラベルバイクとして造られているものと、RED eTap XPLRはやっぱり違うんですよね。

個人的な感想をいえば、ロードで使うのはちょっと……という印象です。やっぱり、変速時の歯数差が大きくて、あまり気持ちよく回せないのです。舗装路でここまで急激なシフトチェンジを必要とする場面って、あまり想像できないわけで、スムーズな歯数差での変速ができるフロントダブルのほうが好きだなぁ、と。(繰り返しますが『個人の感想です』)

 

Cannondale 2025
SYNAPSE CARBON 4 Chalk White

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カラー:Chalk White (CHK)
店頭在庫サイズ:51(推奨身長170cm前後)
メーカー希望小売価格¥670,000(税込)

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カラーはほかにREDがあります。こちらは掲載日現在、サイズ48、51、54がお取り寄せ可能です。

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府中多摩川店在庫の新しいSYNAPSE CARBONは、今回インプレしたバイクと同じデザインながら、カーボン材質に『スタンダードモッド』を採用し、お求めやすい仕様にしたモデルです。コンポーネントはシマノ105 Di2を採用。Smart Senseは搭載していませんが、フレーム内収納『Stash Port』を使用して携帯ポンプや予備チューブなど、いままでサドルバッグに収めていたものが収まるので、より積載力が向上してロングライドへの挑戦もしやすいバイクになっています。

 

Bike Rader誌のBike of  the Yearを受賞

世界でももっとも権威がある自転車雑誌と言って差し支えないかもしれないのがBike Rader誌。そのBike raderが選ぶ2025年のBike of  theYearを『SYNAPSE CARBON 2 Smart Sense』が受賞しています。

Bike Rader誌のレビュー

Smart Senseに関しては現在、後付け用のユニットのみの販売は予定されていませんので、この点の評価はもともと搭載しているモデルでのみ享受できますが、バイクそのものの走行性能も評価されており、これはSmart Sense非搭載のSYNAPSE CARBON 4や5でもお確かめいただけます。

また、上位車種である今回の試乗モデルLAB71や、それに続くモデルも、製品によっては取り寄せや予約が可能です。

ぜひ新しいSYNAPSE CARBONをご検討ください。レース目的でない方なら、ちょっとした非舗装路を含め、シームレスにロングライドを楽しめるバイクです。

 

4th December 2025
ワイズロード府中多摩川 まのゆうすけ

 

 

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