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【お客様の1台】ステム周りを魔改造して完全内装へ!COLNAGO V3-RS DISC
by: 奥平総帆

素敵なお客様の1台が完成しました。
今回完成したバイクは イタリアの老舗レーシングブランドコルナゴの最上位カーボンロードレーサーV3RS
新型が発表されましたが、それに引けを取らないシルエットになるように、お客様のこだわりを体現するため、工夫を重ねて組み立てしました。
では、詳細を見ていきましょう。

COLNAGO V3-RS DISC

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軽量性とエアロ、そして乗り心地とあらゆるシチュエイションで最高のパフォーマンスを出せるように設計されたクラシカルでシンプルなフレームです。

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カラー

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RWICブリリアントホワイトカラーは特殊な結晶塗装により、何とも言えないオリジナリティーのあるカラーリングになっています。同じ模様は二つとありません。

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コンポーネント

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無線、油圧DISCの新型ULTEGRA R8100 2×12速をチョイス。クランクはパワーメーター搭載モデルになっています。

 

ホイール

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CAMPAGNOLO BORA WTO45

軽量で汎用性の高い新型カーボンレーシングホイールです。風洞試験によって得られた空力性能と軽量性のバランスが取れたホイールです。イタリアンバイクにはイタリアンホイールがよく似合います。

 

サドル

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座る部分は評判の良いPROLOGO DIMENSION TIROX

 

ペダル

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お客様のご要望で、WAHOOスピードプレイ ゼロペダルを採用

 

苦労したハンドル周りの配線

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今回、一番苦労したのがハンドル周りです。
オーナー様のご要望は「何とかして完全内装を行ってほしい」とのこと。
もともとV3RSの車体はセミ内装形状となっていて、純正のステムを使用しそのステムの下側のスペーサーの隙間からワイヤーが一部露出する形になっています。これを全部内装にしたいとのことでした。

 

純正形状

コルナゴのコラム形状はD型をしています。そこに専用のスペーサーを入れることで丸型のステムが安全に取り付けられるようになっています。

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※松山店でのノーマルステムのとりつけ風景

純正

このようにステムの下側のガイドを通ってオレンジのブレーキホースが外側に出ます。
赤色の部分がD型コラムを埋めるスペーサーです。S(セミ)-DCRと言われる形状です。

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写真の赤いアルミ部品が純正の専用スペーサーです。当店の在庫車のV3にはこれが付いていました。
オーダーをお受けした当初は、D型コラムなので、専用ステムを使用せずともステムの中にブレーキホースを通すことができると考えておりました。純正スペーサーの形状もホースを避けるような溝が彫ってあるので、ここにホースを通せば、どんなステムを使っても完全内装できると思っていました。

 

つまずき1:スペーサーの単体販売がない

この赤いスペーサー、以前は単品販売がありましたが、現在このスペーサーは、専用ステムにしか付属しておらず、フレームには付属していません。純正以外の他メーカーのステムを取り付けようと思っても、この部品が入手できないことが判明しました。
通常ならフレームに付属していそうな部品ですが、なんと純正ステムの付属部品。これがないと別のステムを付けたときに正しいトルクで固定することができません。

では、どうするか、、、作るしかありません。

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フレーム売りの場合はコラムが長いため、カットします。このカットした余分なコラムを適切な長さにさらにカットて、そこから必要な形に切り出して、スペーサーを自作しました。写真中央が自作したスペーサーの試作1号です。
※通常はこのような作業は承っておりません。

 

つまずき2:ホースがステムの中に入らない

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これは誤算でした。スペーサーの形状がホースをよけるような形状になっているので余裕をかましていましたが、ホースを通すとステムの形状との相性が悪く、油圧ホースをつぶしてしまうような取付になってしまいます。かといって、ホースの通る穴を広げるとステムの固定力が落ちてしまいます。
オレンジ色のブレーキホースが青いステムに潰されているのが図でわかると思います。ここはどうやら電動の線を通すためだけのスペースのようで、ブレーキホースの太さを通す隙間は残念ながら無いようです。

  

つまずき3:思った形のステムが無い

自分のポリシーは、無理な改造をして強度を下げるような手を加えないこと。そうすると、完全内装できる下側にホースガイドの穴の空いたステムを探すしかありません。

V3RSの内装形式はS(セミ)-DCRと言われていて、先に紹介したようにホースの一部が露出します。完全内装は、DCR形状と言われ、名前は似ていますが別物です。
DCR用のステム形状はステムの付け根に穴が開いていて、ここからブレーキホースは通るようになっています。 完成

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最初のお客様の希望はハンドルと合わせて、DEDAのSUPERZERO RSのステム。こちらはアルミ超軽量ステムでそもそもDCR対応ではないので、上記のような穴が開いていません。ですので、完全内装不可。

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COLNAGOの純正ステムもステム下を通す形なので同じく穴が開いていません。

 

では、DCRに対応している物の候補に上がるのは、DEDA VINCIステム。
これは、エアロに特化していてかっこいいのですが、重たく、見た目がごついのでNG。また、ハンドルも同じVINCIと合わせて綺麗に取り付けられるようなデザインになります。今回はRSハンドルを使用するので除外です。

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次にDEDA ALANERAはステム、ハンドル一体型なので、こちらも除外。

 

残るはDEDA SUPER BOX

これはCOLNAGOの純正ステムと同じ、ステム下側から通す形状のS(セミ)-DCRなので、一部ワイヤーが露出します。

打つ手なし、、、と思っていたところ、お客様より

「DEDA SUPER BOX、フル内装のDCRに対応する新商品が出るみたいです」
とのご連絡をいただきました。

 

つまずき4:DEDA新型SUPER BOX

お客様よりご連絡いただき、プレスリリースなどを調べたところ、新型SUPER BOXステムは、S(セミ)-DCRとDCRに対応と書いてあります。今までは、S-DCRにしか対応していなかったはずなので、何かか違っているようです。でも外観からは新旧の違いが不明で、詳細がすぐにはわかりません。さらに詳しく調べたところ、なんとステム下側にブレーキホース用の穴が開いているようです。

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これならいけそうということで取り寄せてみました。

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見た目は新旧変わりありません。外から見るだけでは違いが判りません。ステム下側のスペーサーはワイヤーが這うようになっている、S(セミ)-DCRのスペーサー兼ワイヤーガイドです。

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裏返してみると、ブレーキホースを通せる穴が開いています。でもフル内装するにはホースガイドを兼ねている樹脂スペーサーをなくしたいところです。

 

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理想形はこちら。下側に付くワイヤーガイドのスペーサーを外すことですっきりした形状になりますね、、、しかし、ここで落とし穴

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ホースガイドを兼ねているスペーサーを外して、高さ変更のスペーサーに変えたところ、穴が1/3程ふさがってしまいました。仕方ないので、付属のスペーサーの穴を塞いでいる一部を削り、右のようにホースが通る部分を確保しました。

※23.4.21追記 削らなくても薄い樹脂スペーサーなのでブレーキホースを避けるように変形するので大丈夫だそうです。が、スペーサーのエッジがホースを傷つけそうなのでエッジは面取りしたほうがいいと思います。

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赤い▼部分が削った場所です。これでホースガイドが無くてもきれいに取り付けられます。

 

いよいよ取り付け

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SUPER BOXのステム形状に合わせて新たにD型コラムを埋めるためのスペーサーを作り直しました。
こちらにはホースを通すスペースは必要ないので、固定力が高い半丸の形状のままにしました。
コラムのステムがつく部分に取り付けるとこんな感じに。ホースが通る部分もしっかりと確保されており、きれいに収まっています。

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ヘッドパーツのトップカバーは、コルナゴ対応のものを用意して取り付けることで、まるで純正のように綺麗につけられます。

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スペーサーをつけると見えなくなってしまいますが、「Deda for COLNAGO」の文字が入っています。

 

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ステムキャップを外すとまるで元々こうだったかのように、きれいに収まっています。
いろいろ工夫してみて良かった!お客様のあきらめない気持ちと、モデルチェンジのタイミングがばっちりでした。
まるで純正ステムのように完全にワイヤーをハンドル周りから消すことができました。これなら新型にも負けない理想的なハンドル周りになったと思います。

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コーティングサービス

フレームから組み上げるハイエンドバイクなので、特別な
WAOYL「SUPA GLASS SEALANT III」スパグラスシーラント3
を特別無料施工させていただきました。

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適切なメンテを行えば、6年間輝きを持続します!

 

最後に

フレームからパーツ一つ一つを選択して組み立てるのが「バラ完」です。
今回は、お客様の望みをかなえるため、いろいろ探したり工夫をして形にすることができました。
通常はここまでやる必要はありませんが、できる限り、ご要望に沿うようお打ち合わせをさせていただきます。
どんな自転車を組み立てたいか、お望みをスタッフにぶつけてみてください。
きっと理想的なバイクが出来上がるはずです。 

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是非こんな素敵な1台を探しにワイズロード 川崎店にいらっしゃいませんか?
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