日本最大級のスポーツサイクル専門店!サイクルライフサポート! 川崎で自転車をお探しならY's Road 川崎店
2023/05/17 17:57
各ブランドが技術の粋を集めて作ったレーシングタイヤ。プロの中でもシェアは分かれており、中々正解が難しいように思えます。
そこで今回は「性能面とコンセプト」と「数値上のデータ(参照元)」と「フィーリング」の二つにフォーカスして議論していきます。
次のタイヤを選ぶ際の参考になれば幸いです。
今回ご紹介するブランドはコチラ。
Panaracer,IRC,MICHLEN,GOODYEAR,Vittoria,PIRELLI,SCHWELBE,CONTINENTALの8ブランドです。フィーリングは主観的な部分が強く出ていますが、決め手とするならコレ!となる要素をお伝えできれば幸いです。
目次
クリンチャーモデルには耐久性の高いモデルやヒルクライム用の軽量モデルなど、用途がはっきりしている場合に特に役立つタイヤです。他のフラッグシップモデルのタイヤと比べても一回りお安くお求めできるため、幅広く人気を博しています。
チューブレスの場合ですとクリンチャーの持つ特性を足し上げた性能で、オールラウンダーと言える性能を持ちます。
タイヤ面が他のブランドと比べ(見かけが)シンプルなため、カーブに不安がありましたが、グリップ力もしっかりしており、雨明けの乗鞍岳の下りでも安心して身体を預けられました。個人的に気に入っているのは低速時の引っ掛かりの少なさで、120~140Wの低出力でも地面の引っ掛かりをあまり感じず安定して高い速度で巡行できるところがイチオシのポイントです。(於 長野市~新潟市ロングライド)
こちらのタイヤ(TLR)は試乗ホイールにも付いていますので是非お試しくださいませ。
近年のレーシングホイールでは軽量化のためフックレスが主流となってきましたが、一方でそうしたホイールはクリンチャーの排斥に繋がり、インストールの煩雑化を招きました。その点クリンチャーモデルであるASPITE PROはフックレスのホイールにも取り付けることが出来る数少ないブランドとなっています。そのような汎用性の高さを持ちつつ、非常に高いグリップ力を誇りカーブ時の安心感は極めて高いです。
先述の通りグリップ力が高い為、雨天時のカーブであっても全く困りません。(於 豪雨の彩湖)カーブが苦手、心配なお客様に是非お勧めしたいタイヤです。乗り心地については他のブランドと比べると硬すぎず、柔らかすぎず、といったところで初めての方から上級者の方までご満足いただけるタイヤであると言えます。
こちらのタイヤも試乗ホイールに付属していますので是非お試しください。
昨年完全リニューアルにより登場したPOWER CUP。TPIなど数値上のスペックで語るのであればPIRELLIのタイヤが対抗馬となりますが、こちらはクリンチャーでも低圧推奨となっており、非常に柔らかな乗り心地のタイヤとなっています。一方でPIRELLIの方が軽量なため、TTやトライアスロン等であればMICHELINに、クライミングではPIRELLIに軍配が上がるでしょう。
クリンチャーでも低圧乗りを推奨しているだけあり、非常に乗り心地は柔らかいです。一方でPIRELLIよりも重いこともあり進みが悪いのではないかと心配でしたが、杞憂でありしっかり巡行できるタイヤでした。しかしながら登りや雨天時のグリップなどで議論するとPIRELLIに軍配が上がる印象を受けました。価格自体はこちらの方がお手軽なため、平地コース主体なレースに使いたい一本です。
4大タイヤブランドの一つのGOODYEARが自転車業界に参入。数値上のスペックでは150TPIと、ピレリとコンチネンタルの中間の転がり抵抗の少なさを持っています。コンパウンドもむやみに硬いわけではなく、しなやかな走り心地を実現するタイヤとなっています。非常に高い性能を持ちながらも新芽ということもあるのでまだユーザーが少ない印象を受けます。人と被ることが少ないので独自性を持たせるという点でもグッドです。
ここまでで多くのタイヤを取り上げましたが、このタイヤも新たな選択肢になる。というのが率直な感想でした。先述の通りピレリとコンチネンタルの中間という新たなポイントをうまくついたタイヤとなっています。両方使って何か違うな、という印象を受けた方に新たに提示したい「通」なお客様にオススメです。
ここまでずっとタイヤの話をしてきましたので少しだけ小話を。
近年多くのブランドがチューブレスを発表しています。黎明期である2020年前後ではタイヤとホイールの相性などもあり、インストールの大変さも相まって中々普及が難しいものである、というイメージが多かったかと思います。しかしながら近年では嵌め易くも空気保持をしっかり保つことのできるタイヤが増えてきました。硬いイメージのあるGP5000STRも簡単にタイヤがはまるようになりましたし、ビードもフロアポンプで(結構頑張りますが(笑)上げられるようになりました。確かにシーラントが床にこぼれないような配慮や交換などはクリンチャーより大変ですが、タイヤの噛みこみなどを気にしなくて良いなどメリットもあり、一考する価値が十二分にあると言えるタイヤになってきていると言えるでしょう。
驚異のTPI320の非常に細かな繊維で構成されたVittoriaは転がり抵抗の少なさに定評があり、完全リニューアルで5月上旬に入荷いたしましたCORSA PROは構成も大きく改変され、まさにこれぞレーシングタイヤ!と言わしめる性能を誇ります。一方でこのTPI帯で対抗勢力になるのがContinetalのGP5000。GP5000は330TPIとわずかに細かい繊維で、数値上では違いが少しわかりにくい印象を受けます。ここで注目するのは先述したコンパウンドの硬さ。GP5000の方が硬いコンパウンドのため、地面に対してのフィーリングをより感じたいならGP5000。しなやかに乗るのであればCORSA PROとなりそうです。
グランツールを見ると実に多くのチームが採用し、勝利を収めてきました。コントロール性も含めやはりお値段がするだけその品質は折り紙付きで、これはプロも愛用するわけだ、と納得させられるタイヤでした。高いTPIを持ちつつも柔らかな乗り心地であるため、非常にエネルギーロスが少ないです。結果としてスタミナ維持が容易となるため、長距離戦やスタミナに不安がある方にオススメです。
値段改定によりお求め安くなったPIRELLI。圧倒的に推せるのはグリップ力(ハンドリング性能)がとびぬけています。F1の特許を取得した技術により安心感においては他の追随を許しません。それでありながら加速力もあり、0から40km/hまでの立ち上げがかなり容易にできるところもグッド。メーカー面がカラーバリエーションになっており、無機質なカラーになりがちなホイールに彩を加えてくれます。
フィーリングになるので一概には言えませんが、これを使用したレースでは数値上トップスピードに乗るまでの時間が最も短くでたタイヤでした。地面をがっちりとらえる感覚が全タイヤの中で最も強いので、トルクをかければかけるほど呼応してくれる強さを感じます。カーブも一番安心して攻められるのでダウンヒル、登り、スプリントパワーに不安がある方にオススメしたい一本です。
誤解を恐れずに言うのであれば、明確な強みというものが少し潜性的なものであるかもしれません。しかしながらこのタイヤは「明確に」ほかのタイヤに負けている、という要素がありません。すべての要素において非常に高い水準の性能を誇ります。実は迷ったらこれ!のタイヤは予算が許すのであればこのタイヤではないのかなとひそかに思えるような万能ぶりを見せています。
同価格帯のフラッグシップモデルと比べると少しだけ高く、今回のラインナップのなかでは最も高価なものですが、その分だけ弱点がない、と言えるタイヤといえます。唯一フィーリングに影響する硬さも全体の中では中間に属する硬さで、いい意味で言う事が無いタイヤとなっています。自分の強みや弱みはまだ開拓中だが、タイヤのせいにしたくない、というお客様にオススメです。
今回のタイヤの中では330TPIという極細の繊維からなされるこのタイヤは圧倒的な抵抗の少なさを誇り、巡航速度を全く落とさないことが多くのお客様より絶大な支持をいただいております。特にその性能を感じることが出来るのは信号の少ない直線道路であり、スピードというもっともわかりやすい観点でお客様に衝撃を与えるタイヤとなっています。先述の通りVittoria CORSA PROが対抗馬となりますが、タイヤの硬さでのフィーリングで決めるべきでしょう。
単走や逃げ切り、タイムトライアルなどの一人で頑張らなければならない局面に陥った時にこのタイヤは絶対的な安心感をもたらすでしょう。少ないパワーでも全く上げた速度が低下しなかったことからも非常に独力でなんとかする、というところで強みを発揮できるタイヤです。硬さが今回紹介したタイヤではかなりあるコンパウンドですので、凸凹のある不整地などでは慣れない方だと少しフィーリングが厳しいかもしれません。
今回はあまり取り上げられることの少ないフラッグシップタイヤの位置づけ、についてまとめてみました。文章量は4000文字を超え、かなりヘビーなものになりましたが、少しでも選ぶ際の一助になれば幸いです。
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