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2019/10/15 23:45
【ディスクロードとは何ぞや?】油圧?機械?アクスル?ローター?パッド???【基礎知識②】
by: 永平 宏行
Y’sRoad本部の「バイオレーサーの中の人」こと永平です。
ディスクロード、気になりますね(*´ω`)
ご好評を頂いております、新しい連載ブログ、
月刊ディスクロードを
ガチインプレ!
タイミングの綾で既にインプレ本編↓
からスタートしていますが、
目次
【月刊ディスクロードをガチインプレ!①】SCOTT ADDICT RC【国内最速試乗】
本当はこの連載、
「ディスクロードとは何ぞや?」
というディスクロードの基礎知識からスタートする予定でした。順番は逆となりますが基礎知識編2回目の投稿です。
今回はディスクロードにまつわる
「規格」
についてのお話です。
テーマは大きく2つ。
「油圧式か、機械式か?」
と、
「スルーアクスルの種類」
です。
その他のローターやキャリパーなどの規格は
「その他」
としてまとめています。
ディスクロードって流行ってるけど、
何が良いの?
メリットもあるだろうけど、
デメリットもあるんでしょ?
なんだか取扱いが面倒そう…
そんな疑問をお持ちのディスクブレーキビギナーの皆様は是非ご一読を!
基礎知識の1回目はこちら
【ディスクロードとは何ぞや?】メリットとデメリットを知ろう!【基礎知識①】
【油圧式か、機械式か?】
ディスクブレーキには油圧式と機械式の2種類があります。
さて、どちらを選ぶのが良いのか?
ガチインプレでも、基礎知識①でも、既に答えを何度も書いていますが改めて。
ディスクロード買うなら
絶対油圧!
です。
私の揺るぎない信念ですw
詳しくは前回の基礎知識①をご覧頂きたいのですが、要点だけかいつまんで述べると、
レバーの引きが軽い!
軽い力で同じ制動力を出せる!
という絶大なメリットがあります。だから油圧押し。
あと、前回書かなかったメリットで、複雑なワイヤー(オイルライン)の取り回しでも抵抗が増えない、というのもあります。
特にエアロを意識したバイクではハンドルやフレームにオイルラインを内装しますので、このメリットも大きいですね。
【逆に機械式が良い場合は?】
機械式ディスクブレーキの一例
パッドを作動させるためにワイヤーを用いる
機械式だからこそのメリットも実はあります。
それはコストと整備性です。
まずはコストから。
油圧式と比べて機械式の方が価格は断然安いです。
メーカー完成車でも低価格帯のディスクブレーキ搭載車は機械式のことが多いですね。
ロードバイクだと、シマノがティアグラまで油圧化を果たしたので、ソラ以下のグレードで組まれたディスクロードは基本的に機械式となります。
例えばメリダの場合。
SCULTURA DISC 400 ¥199,900+税
コンポが105、ブレーキも105の油圧式。
SCULTURA DISC 200 ¥129,900+税
コンポがソラ、ブレーキはプロマックスの機械式。
10万円台前半の「お手頃ディスクロード」はおおよそ機械式です。
機械式でも「引きの軽さ」以外のディスクブレーキのメリットは全て備えていますから、予算が限られているなら機械式という選択肢は大いにありです。
次に整備性。
内容にもよりますが、油圧式は万が一のトラブルがあった時に、出先で修理することが困難です。
一方、機械式ならキャリパー本体が破損しない限り、ほとんどのトラブル対応は出先で行うことが可能です。
「ブレーキワイヤーが切れた」
「ブレーキワイヤーのタイコが取れた」
「枝に引っ掛けてブレーキワイヤーが外れた」
なんてトラブルも街までたどり着ければ、小さな街の一般自転車店でもワイヤーを入手して修理することが出来るでしょう。
ロングツーリング派で何でもセルフで対応できるようにしたい!という方なら、予備のワイヤーを持っておけば安心です。
(ここまで来るとロード、というよりバイクパッキングとかグラベル方面な感じですが)
ちょっと想定が極端でしたが、要はエア抜きが必要ないので一般的な工具で自分でメンテしやすい、ということです。
つまり出先のトラブル対応だけでなく、日ごろのメンテナンスもセルフで出来るので、
「ちょっとレバーの引きが重くなったな~」
という時にワイヤーに注油したり、ワイヤーを交換したりを簡単な作業で行えるので、ショップに行って何日か預けてエア抜きしてもらう…という面倒がありません。
まとめると、
油圧式:一度きちんとエア抜きしたらほぼノーメンテ※で乗り続けられる半面、いざフルード交換する際は原則ショップ預けとなるので時間が掛かる
※定期的なフルード・パッド交換は受けましょう
機械式:ワイヤーの引きが悪くなったり、劣化しても小まめに比較的簡単にメンテができる
となります。
【で、結局どっち?】
コストの話を抜きにすれば、現実的にはほとんどのロードバイク愛好家の使い方なら、油圧式を選んで不便することはまず無いでしょう。
レバーの引きの軽さという圧倒的なメリットがあるので、コストさえ許容できれば結局のところやはり油圧式をお薦めします。
問題になるのはフルード交換の際にショップに預ける「時間」とか「手間」。
なので、フルードの定期交換はショップにバイクを預けても問題の無い、冬の間など乗車頻度の少ない季節に計画的に済ませてしまうのが良いでしょう。
社会人なら出張中にやってもらうとか。
あとはエア抜きツールはそれほど高価でもないので、機械いじりが好きな方ならツールを入手して自分でエア抜きできるようにしておけば何の心配もいりません。
どんな作業でもそうですが、良い工具を使って、正しい手順を踏んで、作業に慣れたらどうということはありません。
自転車趣味は、走る、見る、いじる、ですからね。
【予算が厳くても油圧にしたい!】
「油圧が良いのは分かるけど、予算が厳しいんだよねぇ…」
という方には、当社の低金利ローンや低金利分割払いができる提携クレジットカードのご利用をご検討ください!
詳しくはこちら↓
低金利スペシャルローン
低金利分割払いができる提携クレジットカード
ローンやクレジットカードの分割払いを活用して、予算的にちょっと背伸びができるなら、よりスポーツ性能を高められる、
油圧+105以上
をお薦めします。
上のメリダの例なら、
SCULTURA DISC 400 ¥199,900+税
「油圧式ディスクブレーキ」
+
「リアの変速段数が上位機種の標準である11段」
油圧ディスクブレーキと多段変速でスポーツ性能が高いだけでなく、コンポの上位互換が保たれているからチューンナップの楽しみも広がります。
SCULTURA DISC 200 ¥129,900+税
「機械式ディスク」
+
「リアの変速段数が9段」
もし油圧化や11速化するならコンポはほぼ総取り換えになってしまいます…。
という訳で、上位モデルは初期投資が多少高くても、趣味としてスポーツバイクと付き合う上で押さえておきたい「コンポの上位互換」もばっちり満たすことができます。
【1%金利ローン最大36回支払いの場合】
SCULTURA DISC 400なら
月々約¥6,100(税込)
同じくSCULTURA DISC 200なら
月々約¥3,600(税込)
約1.5倍とはなりますが、その差額は¥2,500。ランチを3回お弁当に置き換えればOKですねw
【スルーアクスルの種類】
そう、種類があるんです。
でも、種類があってもほとんど困ることは無い、というのが結論です。
なぜならスルーアクスルはフレーム・フォーク側に規格が依存するため、基本的に付属してくるものを使えば良いからです。
そのため完成車でもフレームでも、ディスクロードを購入して付属してくるアクスルをそのまま使う分には、特に困りません(当たり前か)。
ホイール交換する際も、ホイールの「幅」と「アクスル径」さえ自分のバイクと合っていれば、手持ちのスルーアクスルを使って新しいホイールを固定することができます。
その幅とアクスル径も過渡期を経て、ほぼ統一されつつあるのでこれまたほぼ問題ありません。
ちなみにその規格とは
フロント:幅100mm×軸外径12mm
リア:幅142mm×軸外径12mm
です。
近年のディスクロードならほぼ全てがこの規格で作られています。
また、ホイールをチューンナップしたい、という場合もほとんどのホイールがそのまま、もしくはアダプターで上記の規格に対応しています。
あれ?じゃあアクスルの規格が色々あって困るシチュエーションって何なんでしょう?
それはアクスルを交換する時です。
ドレスアップ目的でカラーアルマイトされたアクスルに変えたいとか、滅多に無いと思いますがアクスルのネジ山を潰してしまって交換しなければならないとか。
はたまた車載移動でアクスルを家に忘れて来たとか、輪行のパッキングの際に紛失してしまったとか…。
そうした際に初めて規格が問題になります。
問題になるのはネジの規格。
ネジのピッチが何と3種類…。
1mm
(X12規格で採用)
1.5mm
(シマノE-Thru規格で採用)
1.75mm
(Maxle Lite規格で採用)
個人であれショップであれ、ネジ山の幅を測るピッチゲージはなかなか無いと思うので、ドレスアップ目的以外なら
純正品を注文する
のが一番確実(これまた当たり前か)。
もし、ドレスアップや何らかの目的で純正品以外を使いたい場合は、メーカーに純正品の仕様を確認するか、自身でピッチゲージでピッチを測るかして間違いの無いように気をつけないといけませんね(クイックレバーと違い、そもそもそうしたドレスアップパーツ自体が少ないとは思いますが)。
あまり色気を出さない方が安全な部分ということだけは確実そうです。
また、フレーム側に雌ネジを設けない「R.A.T.」という規格もあります。
ネジをグルグル回すのではなく、アクスルを差して、90度ひねって、レバーを倒す、という3つの工程でスピーディーにホイールを固定できます。
FOCUSが開発し、メリダやサーベロなどが採用(※年式やモデルによる)。
アクスルの幅と径は他と一緒ですが、ネジ切り式では無いので、これまた基本的に純正仕様以外に変えない方が無難でしょう。
その他にも過渡的なマイナー規格がありましたので、何はともあれまず確認!ですね。
【その他の規格】
①ディスクローターの取付け規格
センターロックと6ボルトの2種類。
センターロック
6ボルト
センターロックの方が取付けが簡単。
「面」で固定できる点も良い。
6ボルトは前後で12本もネジを締めないといけないし、点で押さえる形。しかもトルクスネジ。現在の多数派はセンターロック。
ニッチな話ですが、6ボルトのローターをセンターロックハブに取り付けるためのアダプターもシマノ等で用意されているのでご参考までに。
②ディスクローターの径
160mmと140mmの2種類。
左が160mm、右が140mm
写真はキワモノ?カスタムパーツ
MSCセラミックフローティングディスクローター
前提としてローター径が大きいほど制動力が上がります。
前160mm、後140mmの仕様が多数派ですが、前後160mm仕様のバイクもあります。
制動力が高い160mmを前に装備して、制動力が高くてもタイヤグリップの限界を超えて引きずってしまう後にはあえて140mmを装備して、前後の制動力の最適化を図る組み合わせが支持されているようです。
体重が重い方なら前後160mm、軽いなら前後140mmという選び方もありますが、まずは標準的な160/140で試してみてから判断するのがよろしいでしょう。
③フレーム/キャリパー
規格は近年のものならフラットマウントの1種類。
フラットマウント(前)
フラットマウント(後)
ロードのシンプルなシルエットを崩さず、制動力を面で受けられるように設計された、ロードバイク用のディスクブレーキキャリパー取付け規格。
キャリパーは前後共通で同じものですが、フロント用は一部の例外を除いてアダプターを介してフォークに固定します。
そのアダプターをひっくり返すことで160mm/140mm両方のローターサイズに対応。
リア用はアダプター無しで140mm、アダプターを付けて160mmに対応。
下の画像、SCOTT ADDICT RCのフロントはリアと同じ固定方法を採り、アダプターを廃して軽量化にこだわった作りとなっています。
(ボルトを隠す蓋はマグネット脱着式)
④ブレーキパッド
レジン(樹脂)とメタル(金属)の2種類。
レジン
メタル
※パッと見では区別がつきにくいので印字された
「L03A」とか「L04C」とかの型番で識別
一般論として、以下のような特性です。
制動力:レジン<メタル
コントロール性:レジン>メタル
音鳴りしにくい:レジン>メタル
雨天制動力:レジン<メタル
耐久性:レジン<メタル
ローターへの攻撃性:レジン<メタル
放熱性:レジン<メタル
コスパ(安価):レジン>メタル
ざっくりこんな感じ。
あと、大事な話としては
「メタルパッドに対応していないローター」
というのもあるのでメタルパッドに交換する際は必ず事前にローターの仕様も確認しましょう。
⑤ブレーキフルード
ミネラルオイル(鉱物油=オイル)とDOTフルード(グリコール系ブレーキ液=フルード)の2種類。
ミネラルオイル
(シマノ、マグラ(カンパニョーロ)、テクトロ等)
DOTフルード
(SRAM等)
両者には互換性が無いだけでなく、基本的に各メーカーは純正フルード以外の使用を禁じているところが多いので、同じミネラルオイル同士・同じDOTフルード同士でも(仮に実際使えたとしても)その後の「保証」を考えると混用しない方が無難※です。
メンテナンスには原則メーカー純正のフルードを使うようにしましょう!
※SRAMはDOT5.1規格であれば純正品以外の使用も認めています
【まとめ】
情報量多くて頭がこんがらがりますね…。
そこでまとめ。
・予算が許すなら絶対油圧!
・スルーアクスルは純正品を使っておけば間違いない!
・その他は…必要な時に読み返して!
雑っ!でもまあこんなもんです。
イレギュラーなニッチな情報って、必要となることが稀だからニッチな訳で、それらをいちいち覚えておく必要はありませんからね。
新しいものはいつの時代もとっつきにくいもの。
でも、基本的な知識を仕入れて、実際に手を動かせば臆することはありません。
何よりディスクロードという
「新しいおもちゃ」
を手に入れたら、楽しくてあっという間に馴染んじゃうと思いますよ♪
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