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2026/08/17 16:28
【ANTARES × ORBEA ORCA 第3回】カスタムロードマップ ANTARES軽量カーボンクランクによる「完璧なフィット」と究極のベアリングカスタム
by: 奥平 総帆
ワイズロード本社・購買部でANTARES(アンタレス)の開発責任者を務めております、奥平総帆(おくだいら そうほ)です。
全4回でお届けしている「ORBEA ORCA M30 究極カスタムロードマップ」。前回の第2回では、足回りを1kg軽量化するカーボンホイール「ANTARES ROAD CARBON WHEEL 4521D」を導入し、ORBEA ORCA M30が持つ「上質な巡航性能」を引き出すステップを解説しました 。
第3回となる今回は、バイクの心臓部であり、ライダーのパワーを推進力へと変える最重要部品「クランク周り」のアップグレードをご提案します。ワイズロードオリジナル「ANTARES SL CARBON CRANK Ti-24」がなぜ走りの質を変えるのか、そしてクランク交換と同時に行うことで劇的な相乗効果を生む究極の回転カスタム「JTEKT ONI(鬼)ベアリング」の魔法について、徹底的に深掘りします。
この記事を読み終える頃には、あなたは「自分に本当に合ったクランク長」と「荷重がかかるほど軽くなる回転」がもたらす、異次元のペダリングフィールの虜になっているはずです。
目次
ワイズロードが「ANTARES」に込めた想い:専門店だからこそ「フィッティング」を重視する
本題に入る前に、製品開発において貫いている「ANTARES」のコンセプトに触れさせてください。
ANTARESの歴史は1970年、ワイズロードが自社でフレーム工場を構えていた時代に遡ります。当時、オーダーバイクは非常にハードルが高いものでしたが、それをシステム化して「分かりやすく、身近にしたい」という想いから生まれたのがANTARESです。
その精神は、現代のパーツ開発にも息づいています。ワイズロードの理念は、単に数値を追うのではなく「専門店の知見を価値に変え、お客様が価格以上の価値を感じられる本格製品を届けること」です。
今回のカーボンクランク開発において最もこだわったのは、「自分をバイクに合わせるのではなく、バイクを自分に最適化する」というフィッティングの思想です。プロの現場を知るスタッフが、性能・品質・耐久性のバランスを厳しく見極め、自信を持って薦められるものだけを形にしています。
【第3回】9サイズ展開の衝撃。ANTARESカーボンクランクによる「完璧なフィット」と究極のベアリングカスタム
ロードバイクのアップグレードにおいて、ホイールの次に「最も変化を体感できるパーツ」は何か。迷わず「クランク」だと答えます。
クランクは、ライダーの脚力を直接受け止め、ホイールへと伝える架け橋です。しかし、多くのライダーが「完成車に最初から付いているサイズ」をそのまま使い続けています。実はここに、あなたのポテンシャルを封じ込めている大きな要因が隠されている可能性があるのです。
ANTARES SL CARBON CRANK Ti-24
性能以前に「サイズ」が重要。ANTARESが誇る「9サイズ展開」の革命
ロードバイクのパーツにおいて、軽さや剛性は確かに重要です。しかし、それ以上に重要なのが「ライダーの体格への最適化」です。
クランク長「数ミリ」が走りを変える理由
一般的なクランクセットは、165mm、170mmといった数サイズしか用意されていません。しかし、クランク長が数ミリ変わるだけで、足首や膝、股関節の可動域、そしてケイデンスの維持しやすさは劇的に変化する場合があります。小柄な方が長すぎるクランクを使えば、ペダルが一番上に来る位置(上死点)で膝が上がりすぎ、関節に無理な負担がかかります。逆に、適切な長さを選ぶことでスムーズな円運動が可能になり、疲れにくく、かつ効率的なパワー伝達が可能になるのです。
150mmから175mmまで。現場の声から生まれたラインナップ
このクランクを開発する際、最もこだわったのが「150mmから175mmまで、計9種類のサイズ展開」です。
ラインナップ: 150 / 155 / 160 / 162.5 / 165 / 167.5 / 170 / 172.5 / 175 (mm)
これほどのサイズを取り揃えているブランドはあまりありません。なぜこれが必要だったのか。それは、フィッティングで大切な部分は足回りのフィッティングであること、サドル高、サドル前後位置、そして、クランク長になります。ショートクランクは確かに流行ではありますが、それだけでなく、弊社が行っているバイオレーサーフィッティングを体現するための商品がANTARESのクランクとなります。
素材と製法の妥協なき追求
サイズだけでなく、その中身も本気で作りました。
プロレベルの製造ラインと最高級素材
このクランクは、トッププロが使用するハイエンド製品と同じ、世界屈指の設備を持つ工場で製造されています。素材には東レのT700、T800、さらにT1000ハイモジュラスカーボンを贅沢に使用しています。カーボンシートの積層、硬化温度、圧力制御のすべてにおいて、設計通りの剛性と耐久性を引き出すための厳格な品質管理を行っています。
驚異の「330g」とチタニウム製スピンドル
クランクアーム単体の平均重量は、わずか330g。これを支えるのが、軽量かつ高剛性なチタニウム製スピンドル(φ24mm)です。標準的なアルミクランクと比較して圧倒的な軽量化を実現しつつ、パワーを逃がさない高い剛性を両立しました。特にORCA M30のような「OMRフレーム」が持つ優しい乗り味のバイクにこのクランクを導入すると、漕ぎ出しの「かかり」の良さが際立ち、バイクの質がワンランク引き上げられます。
また、24mm径であれば、多くの完成車に採用されているシマノ対応のBBを変更せずにクランクを交換することができます。
所有欲を満たす「マーブルカーボン」のデザイン
趣味としての満足度も追求しました。表面には、光の当たり方で複雑な陰影を見せるマーブルカーボン模様を採用しています。主張しすぎず、しかし一目で「特別」だとわかる質感は、ORCAの美しいフレームシルエットに完璧に調和し、愛車に圧倒的な高級感を与えます。さらに、SIGEYI製パワーメーターを追加でお取付いただければ、即座に科学的なトレーニングを開始することも可能です。
駆動系の心臓部、クランク&BB交換:賢いカスタムのポイント
クランクを交換する際、絶対にセットで検討していただきたいのがボトムブラケット(BB)です。
BBはフレームの中でクランクを回転させる「軸受け」です。クランクを外すこのタイミングこそが、BBをアップグレードする絶好のチャンスです。
作業工賃の効率化
「BBを交換するには先にクランクを外す必要がある」ため、この2つをセットで行うのが最も合理的です。別々に作業するよりも、トータルの工賃を抑えることができます。
パワー伝達の最大化
どんなに良いクランクを付けても、BBの回転が渋ければパワーがロスしてしまいます。ワイズロードオンラインで販売中のボトムブラケットはこちら!!
究極のカスタム:JTEKT「ONI(鬼)ベアリング」という魔法
クランク周りのカスタムにおける、現時点での「最上位終着点」が、JTEKTの「ONI(鬼)ベアリング」の導入です。
トヨタグループの技術がサイクル業界に降臨
ONIベアリングを製造するJTEKT(ジェイテクト)は、日本が誇る世界トップクラスのベアリングメーカーです。彼らが、東京五輪で金メダルを獲得したトラック競技用ベアリングの技術をベースに、ロードバイク専用に開発したのがこの「鬼ベアリング」なのです。
なぜ「鬼」のように回るのか?荷重時の抵抗差荷重時に真価を発揮
単なるセラミックベアリングとは、根本から設計思想が異なります。
一般的なベアリングは、手で空回しした時は回っても、ライダーのペダリング荷重(斜め方向の力)がかかると急激に抵抗が増えます。ONIベアリングは荷重がかかった状態でも回転抵抗がほとんど増加しない内部設計になっています。
非接触シールと潤滑の極致
回転抵抗の半分を占めるシールの摩擦を排除した非接触構造、そして必要最小限のオイルを自動供給する特殊構造を採用しています。
圧倒的な高耐久

10万km相当の走行試験でも摩耗がほぼ見られないという、驚異的な長寿命を誇ります。
体感できる「追い風」のような軽さ
BBにONIベアリングをインストールしたライダーの多くが、「大げさでなくギア一枚違う」と表現します。私自身の感覚でも、ペダリングだけ追い風のような感覚を味わいました。これは長距離ライドやヒルクライムの後半、疲労が溜まった状況で圧倒的なアドバンテージとなります。数値にして約10ワットの削減効果があるというテスト結果もあり、これはホイールを買い替える以上の恩恵を、より低コストで実現できることを意味します。
カスタマイズによる重量推移のまとめ
第2回のホイール交換に続き、今回のクランク交換でORCA M30の重量は以下のように進化しました。
- STEP 2:ANTARES カーボンクランク交換 ・・・ 8.275kg
ホイール交換時の劇的な軽量化(マイナス675g)に加え、クランク周りでさらに150gの軽量化を果たしました。数値以上の恩恵は、「自分に100%フィットするクランク長」と「ONIベアリングの超低抵抗」による、異次元のペダリングの軽さです。
あなたのORCA M30を「精密機械」へ
第2回で「走りの質」を変え、この第3回で「自分への最適化」を行いました。「カスタムは、パーツを付けることではなく、自分に合わせること」。その真髄を、このクランク周りのアップグレードで体感してください。
ワイズロードが発売したANTARESパーツは、全国のワイズロード各店で承っております。特にONIベアリングの組み付けは非常に繊細な作業を要しますのて認定店舗のみでの扱いとなります、熟練のメカニックたちが、専用工具を用いて最高精度でインストールいたします。
次回、いよいよ最終回となる第4回は「Di2化と一体型コックピット。究極のストレスフリー完成編」をお届けします。ポジションを徹底的に突き詰め、さらに軽量化を加速させる究極の仕上げを解説します。どうぞご期待ください。
自分だけの最高の1台を、ワイズロードで一緒に作り上げましょう!
製品情報:ANTARES SL CARBON CRANK Ti-24
- サイズ: 150mm~175mm(全9サイズ展開)
- 平均重量: アーム単体約330g
- スピンドル: チタニウム製 φ24mm(シマノBB互換)
※セカンドロット8月末入荷予定
究極のカスタム:JTEKT ONIベアリング施工
- 施工価格: BB交換工賃込みで約8万円前後~(車種により異なります)
- 適合: 主要なBB、ホイールハブに対応












