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2026/08/18 00:01
【ANTARES × ORBEA ORCA M30 完結編】カスタムロードマップ ハンドル一体化×Di2化。ORCA M30を「究極の一台」へ
by: 奥平 総帆
ワイズロード本社・購買部でANTARES(アンタレス)の開発を担当しております、奥平総帆(おくだいら そうほ)です。
1998年の入社以来、30年近く現場の最前線で店長としてお客様のサイクルライフをサポートしてきました。現在はその経験をすべて注ぎ込み、「本当にユーザーが求めている高性能を納得できる価格で」という理念のもと、オリジナルブランド「ANTARES」の製品開発を担当しています。
スペインの名門ブランドORBEA(オルベア)の「ORCA M30」をベースにした究極カスタムロードマップも、ついに感動の完結編です。第1回のフレーム、第2回のホイール、第3回のクランクを経て、最終回となる今回は、バイクの「顔」であり操作の要である「ハンドル周りの一体化」と、最新の電動変速「SHIMANO 105 Di2化」を解説します。
この記事を読み終えたとき、あなたの愛車は量産車の域を超えた、扱いやすく快適な「究極の一台」へと生まれ変わる準備が整うはずです。
目次
ワイズロード が「ANTARES」に込めた想い:挑戦を身近にする本格製品を
本題に入る前に、製品開発において大切にしている「ANTARES」のブランドコンセプトに触れさせてください。
ANTARESの歴史は古く、1970年にワイズロードが自社でフレーム工場を構えていた時代に遡ります。当時、オーダーバイクは非常に専門的でハードルが高いものでしたが、それをシステム化して「もっと分かりやすく、もっと身近にしたい」という想いから生まれたのがANTARESです。
その精神は、現代のパーツ開発にも息づいています。ワイズロード の理念は、単に数値を追うのではなく、「専門店の知見を価値に変え、お客様が価格以上の価値を感じられる本格製品を届けること」です。
プロの現場を知るスタッフが性能・品質・耐久性のバランスを厳しく見極め、担当者自らが世界中のハイエンドブランドを支える工場と直接交渉し、1本ずつ丁寧に検品を行うことで、自信を持って薦められるものだけを形にしています。「これからステップアップしたい」と挑戦するすべての人に寄り添うこと。それがANTARESの使命です。
ANTARES CARBON ROAD COCKPITとはどのようなハンドルか
今回のカスタムの最終仕上げとして投入するのが、「ANTARES CARBON ROAD COCKPIT(アンタレス カーボン ロード コックピット)」(税込39,600円)です。
ハイエンドに匹敵する「本気」の設計
通常、フルカーボンのステム一体型ハンドルは、トップブランド品であれば10万円〜15万円が相場です。しかしANTARESは、中間マージンを徹底排除し、欧州トップブランドのフレームやハンドルを手掛ける世界屈指の専門工場と直接交渉することで、この驚異的な価格を実現しました。素材には高性能な「TORAY T700 / T800」ミックスカーボンを採用し、繊維から自社で編み上げることができる高い技術力を背景に、1本ずつ手作業で仕上げられています。
日本人のための「計算し尽くされた」スペック
多くのレース向けハンドルは前傾を強くするために「80度」などの深いステム角度を採用していますが、ANTARESでは一般的な完成車と同じ「ステム角度84度」を採用しました。これにより、現在のポジションから違和感なく移行でき、かつ一体型ならではのスマートなルックスと軽量化(380-90mmで約326g)を両立できます。
ORCA M30との完璧な親和性
ORCA M30は、ケーブルがステム下を通ってフレームへ吸い込まれる「セミ内装(ICR)」規格を採用しています。このハンドルは「FSA ACR規格」に準拠した設計となっており、専用スペーサーを使用することでケーブル類が露出しない「フル内装ルックス」を実現可能です。
ハンドルを交換するメリットとデメリット
メリット
- 圧倒的なルックスと空力: ケーブル類が完全に隠れることで、バイクの美しさが際立ち、空力性能も向上します。
- 軽量化と剛性アップ: フロント周りの重量を削りつつ、ステム一体型ならではの強固な剛性により、スプリントや下りでの安定感が劇的に高まります。
- 振動吸収性: カーボン素材特有の「しなやかさ」により、長距離ライドでの手の痺れや疲労を軽減します。
デメリットと注意点
- ポジションの固定: 一体型ハンドルのため、後から「ステム長だけ変える」といった微調整ができません。
- サイズ選びの慎重さ: だからこそ、事前のフィッティングが不可欠です。ANTARESでは全9サイズをラインナップしており、ワイズロードのフィッティングサービス「バイオレーサー」を併用することで、最適なサイズを導き出すことができます。
賢いカスタムの極意:なぜ「ハンドル交換」と「Di2化」を同時にやるのか?
「一体型ハンドル」への交換は見た目のスッキリさと性能を同時に叶えますが、実は非常に手間のかかる作業です。通常、油圧ディスクブレーキの車体ではブレーキホースを通し直す必要があるため、工賃も高額になります。
しかし、もしあなたが「いつかは電動変速に……」と考えているなら、このタイミングこそが絶好のチャンスです。なぜなら、ハンドル交換とDi2化は、どちらも「油圧ブレーキホースの引き直し」と「バーテープの巻き直し」を伴う共通の重作業だからです。
これらを一度にまとめることで、重複する作業工賃を抑え、バラバラに依頼するよりもはるかに効率よく、お得にカスタムが可能になります。
参考までに工賃は7万円ほどとなります。
賢くDi2化!105(R7100シリーズ)アップグレードの費用
現在のORCA M30が12速機械式105であれば、一部の部品を流用することで、費用を大幅に抑えてDi2化が可能です。
税込18万円ほどで揃う主要パーツ(105 Di2 R7100シリーズ)
フルセットを買い直すよりも約7万円も少ない金額で電動化の恩恵を受けられます。
- STIレバー(ST-R7170 左右ペア)
- フロントディレイラー(FD-R7150)
- リアディレイラー(RD-R7150)
- 内装バッテリー(BT-DN300)
- 充電ケーブル(EW-EC300)
- エレクトリックワイヤー(EW-SD300 2本)
- 油圧ブレーキホース + オイル類
流用可能なパーツ
- クランクセット、ブレーキキャリパー、チェーン、スプロケット、ディスクローター
12速対応なので、この部品は交換の必要がありません。
電動化するメリットとデメリット
メリット
- 確実で軽い操作感: 指先一つで確実に変速が完了します。疲労が溜まった後半ほど、この「軽さ」の恩恵を感じます。
- メンテナンス性の向上: 機械式のような「ワイヤーの伸び」による変速の狂いが発生しません。
- 【注目】ORCA M30はDi2化で「約100g」軽くなる: フル内装フレームのM30では、重いシフトケーブル一式が不要になるため、システム全体で約98g〜118gの軽量化に繋がります。
デメリット
- 充電の管理: 定期的な充電が必要になります。
- 導入コスト: 機械式に比べれば、やはり初期投資が必要です。
今回のまとめ:操作をシンプルにし、走りに集中できる環境を作る
今回の最終ステップにより、あなたのORCA M30は「機能美」と「快適な操作性」を高いレベルで両立させました。 すっきりとした外観のハンドル周りは、視界をクリアにするだけでなく空力特性を向上させます。そしてDi2の正確な変速とさらなる軽量化は、ライダーを機械的なストレスから解放してくれます。これにより、あなたは余計なことを気にせず、目の前に広がる景色と風を楽しむことだけに集中できるようになるのです。
連載のまとめ:世界に一台、あなた専用の「ORCA M30」が完成!
今回のカスタムロードマップを通じて、愛車がどのように進化し、それがライダーにどのような変化をもたらすのかをまとめました。
【カスタマイズによる重量推移のまとめ】
各ステップにおける重量の変化は以下の通りです。
- STEP 3:一体型ハンドル交換(機械式105維持) ・・・ 8.0kg
- STEP 4:【完成体】一体型ハンドル + 105 Di2化 ・・・ 7.9kg
トータルで1.2kgの軽量化を果たし、車体重量はついに7kg台へと突入しました。
ライダーが得られる「重量以外のベネフィット」
軽量化は分かりやすい指標ですが、このカスタムの本質的な価値は、ライダーが感じる「走りの質」と「快適性の向上」にあります。
思考と操作からの解放(Di2化・一体型ハンドル)
- ストレスフリーな変速: 指先ひとつの軽いタッチで正確に変速が決まるDi2は、疲労が溜まったライド後半にその真価を発揮します。
- 視界のクッキリ感: ケーブルが一切露出しない一体型ハンドルは、見た目を究極にスッキリさせるだけでなく、ライダーを機械的なノイズから解放し、目の前の景色に集中させてくれます。
- メンテナンスの手間軽減: 機械式のような「ワイヤーの伸び」による変速の狂いが発生しないため、常にベストな状態を維持できます。
「自分」と「バイク」の完全な同期(カーボンクランク・ONIベアリング)
- 完璧なフィット感: ANTARES独自の9サイズ展開から最適なクランク長を選ぶことで、関節への負担を減らし、スムーズな円運動を可能にします。
- 追い風を受けるようなペダリング: ONIベアリングは荷重がかかった状態でも回転抵抗が極めて低いため、脚が自然にストンと落ちるような軽さを体感できます。
- 圧倒的な耐久性: ONIベアリングは10万km相当の走行でも摩耗がほぼなく、長期間プロレベルの回転を維持できます。
安心感に裏打ちされた「上質な巡航」(カーボンホイール)
- 速度の維持しやすさ: 45mmハイトのリムは、平地での巡航において優れた速度維持性能を発揮します。
- コーナリングの安定: 21mmワイドリムによりタイヤの接地感が安定し、下り坂やテクニカルなコーナーでも恐怖心なく思い通りのラインをトレースできます。
- 路面をいなす「しなやかさ」: カリカリのレース仕様ではなく、ホビーライダー向けに剛性と振動吸収のバランスを最適化しているため、シルキーで滑らかな乗り心地を味わえます。
まとめ
このカスタムを終えたORCA M30は、単に軽くなっただけのバイクではありません。「より楽に、より遠くへ、より美しく」走り続けるための機能を凝縮した、あなたにとって最高の「精密機械」へと進化しているはずです。
ANTARESパーツはワイズロード全店で取り扱っております。熟練のスタッフたちが、あなたの「最高の一台」への挑戦を全力でサポートいたします!
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