関西最大級のスポーツサイクルウェア専門店!
2025/04/18 19:37
目次
初めてのヘルメットを検討されている方からよく尋ねられるのが、「ヘルメットってどれくらいで買い替えるものなんですか?」というもの。中には1回買ったら事故に遭うまでずっと使い続けられるものだと認識されている方もいらっしゃったり、経験者さんでも意外とご存知なかったりするのですが、実はヘルメットには使用期限があります!!
ヘルメットは万一の際の自身の命に深く関わってくる装備品。安全かつ快適に自転車を楽しむため、改めてご案内させていただきたいと思います!
ご存知でいらっしゃる方、期限を前にお買い替えに立ち寄ってくださる方もたくさんいらっしゃいますが、
ヘルメットの使用期限、いわゆる『寿命』は使用開始から3年とされています。
転倒したりぶつけたりしていなくとも、使用するのは月に2,3回と低頻度だとしても、見た目には何のダメージが見られなかったとしても、使用開始したヘルメットについてはこの3年という期間を目安に買い替えしていただくことをお薦めしています。
お話を伺っていると5年以上、中には10年近く使っているという方も稀にいらっしゃったりするので、「えっ、そんなもの?!」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。「コケたこともないし、平気じゃないの」と言われることもあるのですが、使用期限を過ぎたヘルメットは目に見えない部分の劣化が進行していて、いざという時の衝撃を受け流せなくなっている可能性が高いため、「期限内での使用と、それが過ぎたら買い替え」をおすすめしています。
ちなみに、一度でも事故に遭った・転倒してぶつけた・高いところから派手に落とした、といったことがあった場合はそこでヘルメットはお役目全う、大往生です。見た目にダメージのあるものはもちろん、パッと見で損傷が見受けられなかったとしても、内部の緩衝材がダメージを受けて変形していた場合は次の衝撃を受け止められなくなっている可能性が非常に高いです。「見た目なんともないし、まだイケるやろ」はとても危険!大きな衝撃が加わったヘルメットは早めの買い替えを検討していただけたらと思います。
では、なぜ3年を目安とするのか??それ以上長く使ってはいけないのか??そのあたりを詳しく見ていきましょう!
ヘルメットがダメージを受けるのは、外部からの強い衝撃を受けた時だけではありません。降り注ぐ紫外線や使用者本人の汗・皮脂など、使用に伴う外的環境も劣化していく要因となります。ですが、そんな環境の影響や含有成分は測定できませんし、人によって使用頻度・取扱い状況・保管状態等が違うため、どれだけ劣化が進んでいていつまで使用できるのか、個々に定めることはできません。かと言って、劣化しているものを使い続けていては万一のアクシデントの時に十分な保護性能が発揮されない可能性があります。
そこで、メーカーは一定期間使用されたヘルメットを大量に集め、衝撃を加えて耐久性能がどこまで維持されるかという試験を行いました。その結果をもとに、安全を確保できる期間を『使用開始から3年』と設定しているのです。
とあるヘルメットブランドの方から伺った、ヘルメットの耐用年数を定めるにあたって行われた実験のお話をひとつ。大量に集めた使用済みヘルメットを使用年数ごとに分けて耐衝撃性能のテストを行ったそうなのですが、
3年以内の使用期間のもの→いずれもほぼ確実に衝撃を受け流せた
4年使用されたもの→衝撃を緩和できたものとできなかったものが五分五分
5年以上経過したもの→衝撃を受け流せず内部までダメージが素通りになり、ヘルメットとしての役割を成せないものが大半を占めた
…という結果だったそうです。万一事故に遭った際、衝撃を緩和する役目を果たせる確率が50%を下回るようでは安全とはとても言えません。せっかく安全のための装備品としてヘルメットをかぶっていても何の意味もなくなってしまいます。
そのため、ヘルメットを製造するメーカー自ら【ヘルメットの使用期限=保護性能を十分発揮できる期間=使用開始から3年】を設定し、それを経過したものは買い替えを推奨しているのです。
この使用期間には法的な規制があるわけではありませんが、先述のような試験の結果を踏まえて設定された使用者の安全のための数値。古くなったヘルメットはずっと使い続けず、3年を目安にお買い替えくださいね!!
ヘルメットの目に見えない劣化というのは実際どの部分に、どのように起こるものなのでしょうか?

ヘルメットの構造をざっくり図解するとこんな感じ。(画像はOGK KABUTO様よりお借りしました)ライナーはヘルメットの内側を覗いた時に見える発泡スチロール素材の部分ですが、これが衝撃吸収の役割を受け持つ部分。

強い衝撃を受けた時、内部の衝撃吸収ライナーがつぶれたり断裂したりすることで衝撃を吸収・緩和してくれる設計となっています。内部で起こるため、外からは中がどうなっているかわかりません。また、一度変形した衝撃吸収ライナーは元には戻らないため、次の衝撃を吸収・緩和できなくなっています。そのため、事故などで一度大きな衝撃が加わったヘルメットは買い替え推奨となります。
大きな衝撃以外にも、汗や皮脂・紫外線などの要因によってこの衝撃吸収ライナーが脆くなってしまったり、逆にシェル(外殻)と大差ないくらい硬化してしまったりするのですが、これらも衝撃吸収ライナーの変形の一種。次の衝撃に対する耐性が下がってしまっている可能性があります。衝撃を受けた・受けていないはわかりやすいですが、こういった内部劣化は正直ほとんどわからないので、メーカーの提示する「使用開始から3年」が目安になります。
安全にヘルメットを使用し、自転車を快適に楽しむため、ヘルメットの使用期限をしっかり把握しておくこと、お手入れをこまめに行うことが大事です!ヘルメットによっては内部に使用開始年月日を記入する欄を設けている場合もあります。
とはいえ、経年劣化もまったく視認できないというわけではありません。あくまでも目安ですが、OGK KABUTOの営業担当の方に伺った、ヘルメットの劣化判断の一例がこちら。
内側の角ばった部分が丸くなっていく
ヘルメットの内側の発砲スチロール部分を見た時、買ったばかりの頃は角ばっていた形が徐々に丸くなだらかになっていくそうです。
ザラザラした発泡スチロールの質感がツルツルになってくる
内部の衝撃吸収ライナー部分がツルツル、テカテカになってくるとかなり危険信号だそう。5年使用したというヘルメットを回収してチェックしてみたら相当ツルッツルのテッカテカだったそうで…このくらいなら、自分でも簡単にチェックできそうですね。他にも、発砲スチロールがボソボソのそぼろ状になってこそげてくるケースもある模様。
ただし、これらはあくまでも判断の目安なので、内部で起こっている劣化まで判断できるものではありません。使用期限の目安を過ぎていればお買い替えをオススメします!
なお、ヘルメットを構成するパーツのうち、アジャスターとインナーパッドについては消耗品となっています。
使用頻度やお手入れ状況などにより、ダイヤルの締まりが悪くなったり、インナーパッドが剥がれたり、という消耗がヘルメットの使用期限より早く生じる場合がありますが、こちらは不良というわけではありませんので、消耗に気づいたらお早めに交換用パーツをお買い求めくださいね。
1個目は適当に手ごろなものを選んだけど、2個目以降はもうちょっとグレードアップしようかなっていう方も多いかと思います。ヘルメットは価格に快適性が反映されているものが多いので、ちょっと予算高めになりますが、より軽量で通気性に優れ、フィット感が良く見た目にもカッコいいものが多く揃いますので、是非ご検討いただければ!(^^)!
ちなみに私は1個目がなかなかに重たかったので、2個目は軽くてカッコいいやつにグレードアップしました。
OGK KABUTO
VOLZZA
KASK
MOJITO 3
KASK
PROTONE ICON
MET
RIVALE MIPS
MET
TRENTA MIPS
Y’s Roadで取り扱っているヘルメットはいずれも何らかの安全規格をクリアした認可モデルになりますので、基本的な安全性はどれを選んでいただいても問題ありませんが、日本よりも海外の方が安全規格の水準が高く厳しい面があったり、「回転衝撃に強く脳震盪を起こしにくい」といった、より安全性を向上させた構造をもつものがあったりします。一度事故に遭った方はそういう「より安全性能の高いもの」を希望される方も多いですね。そういうタイプをお探しならMETやGIROの『MIPS』搭載モデルやLAZERの『KinetiCore』搭載モデルがおすすめ。
GIRO
ARIES SPHERICAL AF
GIRO
SYNTAX MIPS AF
LIMAR
AIR STRATOS MIPS
LAZER
STRADA KC AF
LAZER
TONIC KC AF
OGK KABUTO
RECT
LIMAR
MALOJA
MET
IDOLO
他にも多数ヘルメットをラインナップしておりますので、是非店頭で色々かぶってみてくださいね!!
いかがでしたでしょうか?意外と知らないヘルメットの使用期限とその理由、参考になれば幸いです。使用期限を超過しているヘルメットを使い続けてるな…って方は、お役目を全うしたヘルメットに勇退してもらって、是非お買い替えを検討してみてくださいね。ヘルメットを正しく使用して不意に起こる危険から頭を守り、サイクリングをより快適に楽しみましょう!!
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