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【SHIMANO】Di2のメリットってなんだろう?!
by: 松野 海丸

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こんばんは、新宿本館のまつのです。以前、ロードバイクの価格は同じグレードのフレームでもパーツ構成によって変わってきますよというおはなしをしました。

そのなかでギアの構成があります。それらをSHIMANOはコンポーネントと呼び、そのコンポにグレードがあることによって価格が変わりますよーというおはなしでした。シマノのロードコンポーネントのグレードで上位3グレードはDi2と呼ばれる電子変速システムが採用されています。トップの2グレードであるDURA-ACEとULTEGRAはそもそもDi2のみのラインナップ(リムブレーキと油圧ディスクブレーキの仕様がございます)、3番目の105は電子式変速とメカニカルシフトの使用が用意されています(油圧ディスクブレーキ仕様のみのラインナップ)。それ未満のグレードのコンポーネントには、メカニカルシフトしかラインナップされていません。

 

メカニカルシフト

では、そもそもメカニカルシフトというのはどんな仕組みで動いているのでしょうか。そもそも“変速”というのはチェーンが他のギアに移動することです。これは変速機が“ペダルで前方に回しているチェーン”を他のギアに移動させることと言えます。つまり変速機を動かしながらチェーンを前方向へ回すと変速するわけです。よって変速操作をする際はペダルを前方向に回転させている必要があるということです。チェーンを前方へ回すのは人間の脚でペダルを介して回します。では変速機はどうやって動かすのか?ということです。メカニカルシフトとは変速機をワイヤーで動かす仕組みのことです。シフトワイヤーというワイヤーで変速機とレバーを結び、レバーでケーブルのテンションを緩めたり巻き取ったりすることで変速機が動きます。これが昔ながらの変速システムでシティサイクルからロードバイクまで幅広く親しまれています。

 

電子式変速

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電子式変速システムも“変速”というやっていることは同じですが、変速機を動かす仕組みが違います。変速機にモーターが仕込まれており、レバー側のシフトボタンから変速指示を出すことで変速します。これが電子式変速です。

 

価格差

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では、実際の車体を比較して価格差を見てみましょう。今回も定価で見ていきます。今回は最大手GIANTのミドルレンジの軽量オールラウンダー“TCR ADVANCED KOM”シリーズで比較していきます。

 

TCR ADVANCED 2 KOM

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メカニカルシフト仕様

330,000円(税込)

 

TCR ADVANCED 1 KOM

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Di2仕様

429,000円 (税込)

 

両者の違いは記載した部分のみで他の部分は同じグレードの構成となっています。つまりメカニカル仕様とDi2仕様で99,000円の違い、つまり10万円ほどの開きがあるわけですね。コンポが電子式になっただけでこんなに価格差があるなら、なぜDi2がラインナップされるほどの需要があるのか?というのが気になるところですよね。では、10万多く出した先にはどんな世界が私たちを待っているのでしょう?

 

指の快適さ

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まず、変速操作を出すのはメカニカルは“シフトレバー”。それに対してDi2は“シフトボタン”。そう、ボタンなんです。メカニカルはワイヤーを指の力で巻き取る必要性があるのでよりストロークも深く、レバー自体も硬いんですね。それに対してDi2はボタンを押すだけで変速操作の信号が変速機に飛びますので、やろうと思えば小指でも変速できます(そんなことはしませんが)。

 

フロント変速の快適さ

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その恩恵がもろに出るのがフロント、つまり前側のギアの変速です。ロードのフロントギアは基本的に2速でアウターギアとインナーギアのサイズ差が大きくなる為どうしてもギアを重くするときにレバーをかなり奥までしっかり押し込む必要があるんですね。これは左手の動作です。これがDi2ですとモーターで上がってくれるので確実でより楽に変速を完了することができるのです。

 

 レバーが持ちやすくなる

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つぎに構造上の問題ですがDi2のほうがレバーが持ちやすくなる傾向があります。特に油圧のレバーで顕著ですが、レバーにはオイルタンクが内蔵されていてこれがけっこうなサイズ感です。その上にワイヤーを巻き取る機構を搭載しなければならないメカニカルシフトに対して、あとはボタンだけというDi2の方が圧倒的にレバー自体を小さく設計できるんですね。これにより格段にレバーが持ちやすくなるんです。見た目自体もスッキリします。

 

シフトワイヤーがない

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Di2のメリットとしては、シフトワイヤーが無いことも挙げられます。シフトワイヤーというのはワイヤーですから弦楽器が調律するように定期的に張り直しが必要になります。特に新品のワイヤーは1ヶ月ほど乗るとゆるみが出てきやすいです。これは、ワイヤーが各パーツになじむことによって実質伸びたような状態になることが原因とされています。ワイヤーは金属なのでそんなに伸びることは無いのですがこのようにゆるみが出てきてしまいます。そこで調整しても、定期的にワイヤーの張り直しは発生します。これを怠るとそもそも変速出来なくなったり、変速調整がずれてきたり、チェーンが外れる原因となります。一方、Di2はシフトワイヤー自体が存在しません。よってワイヤーのゆるみによる変速調整のズレは存在せず、ギアの摩耗などによる変速のズレのみです。よって変速調整がズレにくく安定しているということができます。

また長期的にみるとワイヤー交換(とくにアウター)の交換の手間が省けます。昨今のスポーツバイクはケーブル内装式が多く、ワイヤー交換はなかなかの手間と費用が掛かりますが、消耗するワイヤー類が無いので交換作業そのものがなくなります。

またハンドルやステムへケーブルが内臓されている車体の場合は硬いワイヤーが無いのでハンドリングへの影響もなくなります。

 

モデルごとの違い

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では、3グレードのDi2にはどのような違いがあるのでしょうか。それは単純な重量の他に剛性感、そして特に感じられるのがフロント変速の俊敏性です。剛性感に関してはクランクの構造がアルテグラ以上と105ではそもそも違うので見た目でも分かりやすいですが、フロントの変速の確実性、俊敏性は大きく変わっています。このフロント変速の性能はDi2化の大きな恩恵である為上位モデルもオススメできます。また、アルテグラ以上にはレバーのてっぺんに隠しスイッチが搭載されており、サイクルコンピュータのページ送りなど細かい役割をふることができます。

 

 最後に

以上のことは、なかなか口頭でお伝えするのは難しいのですが、確実に10万円の価値はあると考えます(笑)。当店スタッフにはアルテグラDi2が人気です。是非皆様のロードバイク選びの参考になれば嬉しいです。新宿本館まつのでした。


  


 

 

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