街乗り文化からスポーツ文化へ!!
ワイズロード池袋本館 Y'sRoad Ikebukuro honkan
[英語対応可]
2021/10/01 11:36
こんにちは。池袋本館の長山です。
今回は、2014年・秋のロングライドのレポートを、
加筆修正の上で連載にてお届けする「その5」です。
本レポートで、健脚自転車・ロードバイクの醍醐味の
一端を少しでもお伝え出来ればと思います。
また、旅に出にくい昨今、このレポートで僅かばかりでも
旅気分を味わっていただけたら幸いです。
ライド3日目
2014年9月30日(火)
3連休の最終日。
6時過ぎに起床。さすがに早起き出来ず。
起動も遅めで、出発は7時。
前日に続き、時間稼ぎのためホテルの朝食券を放棄。
名残惜しいが仕方ない・・・。
それにしても爽やかな朝。
左足付け根とアキレス腱の痛みは気になりますが、
前進に支障が出るほどでも無し。
「早起きは三文の得」
とはよく言ったもので、実に清々しい!
7:23 コンビニがあったので、朝食。
ホットのココアと、玄米茶。
以上。
距離を稼ぐための時短というのもありましたが、
何よりも目前に迫ってきた秋田県境越えが楽しみで、
はやる気持ちに任せてのスピード粗食でした。
それにしても、このコンビニはチェックが厳しい!?
画一化されたはずのコンビニでも、どこか違う。
そこがまた、面白い!
新旧の国道13号は合流して、交通量が復活。 7:26
普段なら忌避しがちの交通量も、
闇夜の閑散とした道のりを味わった後では、
賑わいを感じて嬉しかったりします。
その中を少し進むと、
!!!
あれは、鳥海山か!
鳥海山、もっと遠いところだと思っていました。
自転車で、2日余りでナマ鳥海山を拝めるとは!
7:41
実は、前年2013年に「矢島カップ」の2ndステージ
鳥海山ヒルクライムに初参戦、
今年も参戦して記録更新に挑戦!と思っていましたが、
日程の調整が出来ず、叶わず終い。
今回、別の形でその悔いを晴らしたような気分になりました。
いや~、なんか嬉しいなあ。
米どころであることを感じさせる風景。
これは谷筋を有効活用?
木々が防風林になっていたりするのかな?
秋田ナンバーの車も増えてきたし、目指した県はいよいよ近い。
しみじみ味わいながら進むと、
これは、絶景の予感。 7:57
おわぁぁぁぁぁ!!
思わず叫んだ、素晴らしい展望!
左手奥には鳥海山、
中央付近は金山三山、
右手奥は奥羽山脈か?
そして、青い空と黄金色の大地の対比。
高い山から見下ろす雄大な景色とも、一味違う。
これが、日本の里山風景というものか。
後から知りましたが、明治の女性旅行家イザベラ・バードは
この金山の景色を称賛したそうです。
写真では伝わり辛いのですが、これから走り抜ける
国道13号がくねくね、どこを進んで行くのかが良く見えました。
こうやって、道はいくつもの街を越えて行くんですね。
徳永英明「夢を信じて」冒頭の歌詞を思い起こしました。
最終日は帰るための輪行移動がある分、制限時間は短め。
先を急いでも、伸ばせる距離はたかが知れています。
この景色によって、心のギアはロングライドモードから
のんびりツーリングモードに変速。
カチッ。
風景、光景、空気感、空の表情、道の表情・・・
関東近辺とは確実に異なるいろいろな雰囲気が、
遠くまで来たなあ、という気にさせてくれます。
見渡していた、特徴的な金山三山。 8:56
こんなミニマムな三山は珍しいかも知れません。
その三山の一番左の左脇をくねっと回り込み、さらに北上。
9:06
主寝坂(しゅねざか)峠越えに掛かります。
ここで、国道13号は旧道と自動車専用の新道とに分かれます。
9:22
旧道へは道なりではなく右折、もし闇夜に強行していたら、
気付かず自動車専用道に突っ込んでいたかも!?
旧道はのどかで良いですね。
サイクリング天国です。
しかも、
まーた、景色が良いんです、これが。
ジオラマのように、コンパクトに良くまとまっています。 9:27
空の表情が良いことがまた、
風景の美しさを際立たせています。
主役を降りた旧道の渋み。 9:49
山里らしい風景。 9:58
国道マークもメタボ気味? 10:06
そうしてノコノコ行くうちに
峠が近づき、急に山深さが際立ってきます。
みちのくの森は深い、夜は獣がうようよ出てきそうです。
やっぱり、夜中に強行しなくて良かったかも。
冬は豪雪で氷に閉ざされるだろうに、
決して朽ちることなく
咲き時を弁えて咲く花の生命力。
同じ場所に咲く花でも、咲くペースはそれぞれ。
春色無高下、花枝自短長
(春の光は分け隔てなく降り注ぎ、その景色の美しさに上下はないが、
花の咲く枝には長いものや短いものがある、といった意味)
という禅語を思い浮かべました。
・・・という具合に、いろいろなことに反応しては、
妙にあれこれ考えます。
サイクリングは、サドルに坐す坐禅ではないか、
と思う時があります。
主寝坂峠は、長さ808mのトンネルで越えます。
このトンネル、入ってみたら、どこからともなく
水の滴る音が聞こえてくるのですが、その音が
まるで誰かがヒソヒソ会話をしているかのように
聞こえるのです・・・。
道端には廃墟もあったし、こんな道のりを、
もし強行して夜中に来ていたら・・・、
ゾ~~~ッ!!
やっぱり、昨晩は新庄で止めておいて良かった!
10:49 主寝坂トンネルを抜けたら、広がったのは
雄大な絶景。
いや~、さっきの金山から始まり、絶景を連発、
まさに「絶景街道」です。
これを、もし夜に強行で越えていたら、
暗闇でこれらの景色が見えることもなく、
緊張と恐怖で悲鳴を連発、「絶叫怪道」となるところでした。
パンクに繋がりそうな栗も随所に落ちていたし。
夜中の強行軍やらなくて、本当に本当に良かった!
ここら辺りで、自宅からの走行距離500km達成!
来し方を振り返って一枚。 11:06
奥に見えるのは「及位隧道」 11:17
及位は「のぞき」と読む難読地名です。
福島から184kmか、ずいぶん走って来たなあ。
(山形県高畠町までは別ルートでしたが)
11:22
キコキコ漕いで登り行き、
主寝坂、及位、に続く3つ目、雄勝トンネルへ到達。 11:36
ここが、雄勝峠を越える山形・秋田県境のトンネル。
この中で、待望の秋田県に入るはずです・・・!
車道は狭く怖いので、反対側車線にだけ
設置された歩道に渡って前進。
そして・・・
遂に! 来た!! 秋田県!!!
テンション急上昇、トンネル内でコソコソと大はしゃぎ!
そして、ここまでの道のりを噛み締めながら、外へ。
秋田の空が広がりました。
漠然と、秋田県はもっと遠いところだと思っていました。
もっと何日もかけて、やっとたどり着く場所だと思い込んでいました。
仕事柄、GWや夏休み等のまとまった休みがないので、
これまで自走で秋田は想像することも無かったのです。
それが今回、覆りました。
爽やかな感動が駆け抜けます。
ここで脳裏をよぎったのは、アニメ映画「耳をすませば」
主題歌の「カントリー・ロード」冒頭の歌詞。
この道をずっと行ったら、あの街に続いてる気がする・・・。
それは、気のせいじゃなかった。
いつもの町の、この道は、ずっと行けば
確かに秋田県に続いていた!!
その6へつづく
CATEYE INOUで取った記録
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03-5992-4070