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2017/02/27 00:09
【ライドログ13】パワーを使って新機材をテストしてみる!【カーボンクリンチャー♪】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
今回、ジャイアント様のご厚意で、
素晴らしいホイールの試乗をする機会に恵まれました。
誠にありがとうございます。 <(_ _)>
この場を借りて、お礼申し上げます。
※23Cタイヤの装着は自己責任です。
文中のパワトレ用語については↓こちらで解説しています。
本日のライド
110km、1300mUP、TSS261、2278KJ、4時間26分
天目指峠2回、山王峠2回、小沢峠2回。
平日の疲れか、珍しくハンガーノックになりました。
わたくし、10年前からホイールを更新していないので、
手持ちのホイールラインナップが、
軽量アルミが「キシリウムES」(クリンチャー)
カーボンディープが「コリマエアロ」(チューブラー)
という体制。
カーボンディープは、踏める脚が無いのと、
チューブラーの煩わしさもあり、
最近めっきり使っていません。
(雨中や雨上がりなど、運が悪いと複数回パンクするので、
チューブラーはちょっと敬遠してしまいます。
実際、昨年は一日に二度パンクする目に、二度逢っています。
その時の様子はこちら。レースなら割り切れますけどね…)
軽量アルミのキシリウムESの性能には
ほぼ満足していますが、唯一の弱点が
空力
そう、エアロじゃない。
世の中、右を見ても、左を見てもエアロだらけ。
エアロにあらずんば、自転車にあらず、てな雰囲気です。
キシリウムシリーズもISM4Dという滑らかな切削加工で、
リムハイトは低いながらもエアロ化しています。
キシリウムESは、平坦や下りが苦手。
常に踏み続けないと、速度維持がつらい。
リムはローハイトだし、切削は角ばってるし、
「ジクラルスポーク」がいくら扁平加工されていても、
その太さからくる空気の撹拌抵抗は、
バカにできないのではないかと。
(個人の感想です)
そして、ワイドリムが標準のいま時に、
キシリウムESはナローリム。
今や「当たり前」の25Cに最適化されていません。
無いものねだりのわがままだとは思うのですが、
人間の欲とは恐ろしいもので、気になると
ず~っと毎日気になります。
「もっと楽に、速く、
長く走れる機材があるんじゃないか?」
そして、色々悩んだ結果、試乗まで漕ぎつけたのがコチラ。
GIANT SLR0
超軽量カーボンクリンチャーホイールです。
リム高30mmと、エアロ度は弱いですが、
流行りのU字断面に25C対応のワイドリム!
何よりカーボンクリンチャーで1331g!
(シクロワイヤードさんによると、リムテープ込実測1335g。
キシリウムESは公称1470g、あるネット情報では実測1521g)
そしてお値段22万+税。
お財布に優しい。
絶対値としては高額ですが、
スペックを考えたら相対的には破格です。
おまけにチューブレスも使えます。
(同じリムを使って、ハブが3爪ラチェットでスポークが丸スポークの弟分SLR1は、
ぬあんと15万円+税で1425g、名古屋の梅林店長も、
京都のホッシー一号も使ってます&お墨付き)
破格とは言っても、それなりのお値段。
購入を検討するからには、慎重になります。
そう、こんな時にもパワーメーターが役に立つのです。
週末のロングライドで試乗するとともに、
パワー値で定量的にテストをしてみることに。
装着!リムが少しでも深くなるとかっこいい!
テスト方法は、
「直近の走行時と近いパワー値で峠を登って、タイム差を見る」
というもの。
2.65km、平均斜度8.2%の小さな峠でテスト。
体重や他の機材が変わっていないので、
タイムが向上すれば、ホイールの性能によるものだと
結論付けることができます。
(登坂なので、主にホイールの軽量化の効果が分かる)
果たして、結果は?
・過去のパワーとタイム(1月)
258W 12分24秒
241W 12分55秒
239W 12分59秒
・今回のパワーとタイム
245W 12分42秒
242W 12分58秒
う、う~ん。
青字同志で比較すると、ほぼ一緒。
スペック上はホイールが約200gも軽量化されているので、
タイムに影響しそうなものですが…。
タイムが変わらなかった理由としては、
「タイムに影響する外周部(リム)の
重量が大して変わらない?」
という推測をしています。
回転体の外周部の慣性モーメントが低いほど、
加速に要するパワーが少なくて済む。
要は軽いリムほど、少ない力で回せる。
回転体の中心付近の重量の多少は、
推進効率にはほとんど影響しない。
(だからゴキソのハブは重量級でもサスペンション構造による
路面追従性・快適性・ベアリング性能の向上を選択している)
リム単体重量400g強と言われるキシリウムESと、
リム単体重量441g程度※と言われるSLR0では、
大して差が無かったと思われます。
※姉妹モデルのSLR1 DISCを解体した方のネット情報より
キシリウムESと、SLR0の重量差のほとんどが、
スポークとハブに由来するのではないか?
その証拠にSLR0とリムが一緒で、
スポークとフリー構造が違う「だけの」SLR1が
約90gも重いわけで、あり得ます。
何かネガティブな印象を持ったように
読めてしまうかもしれませんが、
そんなことはありません。
登坂テストでは「定量的に」ESと
ほぼ同スペックと判明してしまったSLR0ですが、
実は結構気に入ってます。
風など外的環境の影響が大きく、
峠の登坂テストと違い、
定量的分析は出来ませんが、
スピードの出る平坦や下り、
緩斜面の登りは速度維持性がESよりも高い!
ESより高いリム高と、ワイドリムのU字断面と、
極細エアロスポークが効いている感があります。
リム高はほんの数ミリの違いですが、
SLR0にはエアロ効果を確実に感じます。
(リム高、ES比フロント+8mm、リア+5mm)
よくよく考えれば、リム重量がほとんど変わらずに、
これだけエアロ形状であること自体すごいメリットです。
あと、ホイール全体の剛性が高く、
しっかりと円を保ったまま「クコ~~~」と、
回る感触があり、ホイール変形による
エネルギー損失も少なそうです。
硬いと思っていたESも、SLR0と比べると、
踏み切れるレベルの硬さだったのだと気づかされました。
SLR0だと、今まで以上に2時~3時で踏み止めてやると、
上手く進んでくれる印象です。
(個人の感想です。あくまで定性的…)
という事で、
・登坂は同等で
・空力はメリットあり
なSLR0。
購入するか否か、
次のテスト
と家庭内稟議
へ、答えは持ち越しとします。
続報をお楽しみに♪
これは事件だ!
パワーメーターがこんな値段で?
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