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【まつののCicli通信】ロードバイクを“見た目で選ぶ”を言語化してみよう。
by: 松野 海丸

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こんにちは、新宿本館のまつのです。ロードバイクを選ぶとき、“結局は見た目で選ぶ”なんていいますが、それはある程度ロードバイクを続けていて、目が肥えた人たちしかできない選び方なのでしょうか?そもそも見た目って?って思いますよね。これからロードバイクをはじめたいなという方も、エキスパートの方々がどういった着眼点で“見た目”を判断しているのか?知りたいですよね。今回は“ロードバイクを見た目で選ぶ”をいくつか言語化してみました。はじめてロードバイクを選ぶもしくは2台目以降を選ぶ方の参考になれば幸いです。

 

配色

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深いブルー系統のカラーをベースに、補色であるイエローが差し色で入っている。

まず一番わかりやすいのは配色ですよね。カラーリングはもちろん、同じカラーを使っていてもその配色の割合によって印象が大きく変わります。これははじめてでも何となく判断している部分になると思います。

 

塗装表面の仕上げ

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マット系のブラックは一定の人気がある。こちらは部分的にグレア仕上げとなっているフレーム。

塗装表面の仕上げもバリエーションがあります。古くからあるグロス加工に加えて近年のロードバイクではマット塗装が多くなってきました。王道のブラックのマット加工が多い中、ブラウンなど他カラーでのマットカラーは珍しく、高級感があります。また、トラディショナルなグロスの加工も安定した人気があります。それと、部分的にマット塗装を用いたモデルも定番となっています。

 

カラーを決めてから車種を絞り込む難しさ

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欲しいモデルやカラーがすぐ手に入るとは限らない。

特定のカラーに決めてから車種を絞り込もうとすると、なかなか決まらない現状があります。例えば、レッドの車体を探している、となると、なかなかサイズ感や予算が合わない場合も多いです。見つけられたらラッキーくらいで探してみるか、予め車種まで絞り込んで御指定頂くのがいいかもしれません。しかし、特定の車種を御希望される場合も在庫状況に変動がありますので、必ずしも入手できなかったり、長期入荷待ちの場合もあります。このような場合、頭でっかちにならずに柔軟に他の要素も加味して検討されると選択肢が広がると思います。尚、スポーツバイクは通常御成約から納車までお時間を頂くケースが多く、店頭在庫車であっても当日持ち帰れるケースは少ないです。

 

シルエット

ロードバイクのルックスを決めるのはカラーリングともう一つ、フレームのシルエットです。では、どんな要素がフレームのルックスを決めているのでしょうか。

 

フレームのジャンル

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画像は同ブランドCannondaleのロードバイクである。左からオールラウンダー、エアロロード、エンデュランスロード。

まず、一口にロードバイクといってもその中で用途による細分化が進んでいます。

 

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軽量で前傾姿勢が取れる一般的なオールラウンダーはレーシーで、最近のモデルは空力性能も追及されています。程度の差はあれ比較的シンプルな形状が多く、クセの少ないシルエットのモデルも多いです。

 

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自転車の枠に収まらない型破りなフレーム形状のエアロロードも開発されている。画像はCOLNAGO ( コルナゴ ) の最新エアロロードバイク Y1Rs ( ワイワンアールエス )。

前面から見るとスリム、横から見るとマッシヴで平べったい形状のエアロロードはよりマシン感を演出できますしシティサイクルにはありえないような特別感を感じられます。

 

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エンデュランスロードの中でもスポーティーなものとグラベルロードに近いモデルが存在し、バイクパッキングができるモデルも。

フレームがほど良く太目なものが多いエンデュランスロードはハンドルの位置が高く、太目のシルエットのタイヤをはけるため、ワイルドな印象やラフな感じ、キャンプギア感やおしゃれなシルエットにしやすい傾向にあります。フレームバッグなどでバイクパッキングをすると一気に表情が変わるのも面白いところです。

 

エアロ風味

空力性能を意識したフレーム形状はフレームのシルエットを決める大きな一要素です。その最たるものはエアロロードですが、前述したように昨今のロードバイクはエアロロードでなくても空力性能を意識したモデルが増えています。

 

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オールラウンダーであるため軽量性をある程度重視しながらも、剛性感、空力性能などのトータルバランスを煮詰めたモデルがトレンドだ。

軽量性を保ったまま空力性能を味付けするオールラウンダーがトレンドです。エアロ形状を乱暴に言えば、平べったさと隙間埋めです。

 

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シートチューブが後輪に大きく追従し隙間を埋めている。

多いのがシートポストやシートチューブで平べったく、かつ車輪との隙間を少なくするために、主に後輪に追従する形状となっています。

 

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トラディショナルなカーボンフレーム。角ばりが少なくクセの少ない印象に。

逆にトラディショナルなシルエットが御希望であれば、ここが真円に近い形状のものを選ぶといいでしょう。

 

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真円のシートポストは多くのモデルが発売されていて選択肢が広がる。画像はカーボン製のシートポストで、バイク上部の軽量化で振り子の原理による操作性の向上と、素材特性である振動吸収性の向上が期待できる。勿論ビジュアルも様々。

真円形状のシートポストは同径のパーツと互換性があり、アルミからカーボン化することで軽量化や振動吸収性の向上、ルックスの変更などの融通が利きます。その代わりに空力性能は刀型の物に軍配が上がります。しかし、刀型の物は真円の物に対して重量面で劣るケースが多く、軽量ロードでは後者が採用されることが多いようです。これは刀型を保ったまま、シートポストの内部に電子式変速機のバッテリーユニットを搭載するスペースを確保するためです。

 

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多くのバイクはシートポストにバッテリーを設置していたが、Cannondale Super SIX EVOは設置位置をフレーム下部にすることによりバイク上部にあるシートポストの軽量化による低重心化を果たしている。

例外としてはCannondaleのSuper SIX EVOなどがバッテリーの格納場所を変えることで刀型シートポストを軽量化しました。また重量のお話を少しだけさせて頂くならば、バイクの高い部分にあるハンドルやサドル周りのパーツは振り子の原理でバイクの操作感に大きく影響する部分です。ホイール等の足回りの次に違いが感じられる部分ですので将来の運用も考慮して選べるとベターでしょう。

 

ホリゾンタルとスローピング

ホリゾンタルフレーム スローピングフレーム
トラッドな印象を与えるホリゾンタルフレームはクロモリの大きめのサイズに多く、カーボンやアルミ製のレーシーなバイクでは希少種となっている。

ホリゾンタルフレームとスローピングフレームを理解しておくといいです。ホリゾンタルはトラディショナルな形状で、トップチューブが地面と平行に近いフレーム形状。スローピングはトップチューブが後ろ下がりになっています。

 

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トラディショナルなクロモリフレームは大きめのサイズになるほどホリゾンタルシルエットに近づいていく。

昔のフレームはホリゾンタル気味の物が多く、トラディショナルなクロモリフレームや一部のエアロロードなどに多いですね。スローピングは現代的、先進的です。この違いによってバイクのシルエットは大きく変わりますが、アルミやカーボンのレーシーなモデルは圧倒的にスローピングフレームが多いのが現状です。ホリゾンタルはパイプが長くなる分フレーム全体のしなりが効いて乗り心地が良くなる一方、材料が多くなる分重くなったり、シートポストの出代が減ってサドル高が低く見えたり(股下が長い方が好ましい)します。コンパクトフレームことスローピングフレームはGIANTが生み出したといわれていてシートポストの出代が大きく見栄えが良い、少ないサイズ展開で開発コストを抑えられる、パイプが短くなり剛性感、反応性が高まる、軽量化できる、シートポストの長さを稼ぐことでしなりが良く乗り心地が良いなどのメリットがあります。一部のピストバイクなどでは後方に向けて角度が上がっていく“逆スローピング”やほぼホリゾンタルな“ほぼゾンタル”なるものもあります。

 

サイズによるシルエットの違い

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カタログやHPのメインビジュアルに近いサイズ感。
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小さめのサイズのフレームは足つきがいいように大きくスローピングしているのが特徴。クロモリフレームも例外ではないので注文品の場合は注意が必要だ。

同一車種でも、バイクサイズによってシルエットが大きく変わることを理解しておく必要があります。特に小柄な方や、注文品の場合は注意が必要です。ロードバイクは同じ車種であれば基本的に車輪サイズは同一です。フレームの寸法のみが変わり、それぞれのサイズに最適化されるため、シルエットが大きく変わります。一番大きなサイズと一番小さなサイズを見比べてみると一目瞭然。結構印象が変わると思います。クロモリフレームなんかは大きいサイズはホリゾンタルだけど小さいサイズはスローピングなんてこともざらです。公式サイトの画像で一目ぼれして注文してみたら大きく印象が違った。。。なんてことがないように、画像検索する際は実車のサイズにも注目してみましょう。当店では車種が決まりましたら、会員価格¥1,100-のバイオレーサーライトでサイズ感を御案内しています。お気軽にご相談ください。

 

セッティングによる違い

サイズの重要性
※ワイズロード新宿本館ではバイオレーサーライトのみの対応となる。会員価格は¥1,100-となっている。測定日から1ヶ月以内の車体成約でキャッシュバックされる。

セッティングによってもバイクの印象は大きく変わります。大体のサイトでは一番見栄えのいいサイズ、セッティングを採用しています。例えば、サイズは中央値以上、サドルはベタ上げ、ハンドルはベタ下げというかなりレーシーな仕上げです。実際はもっとハンドルが高い位置にあったり、股下に合わせるとサドルが思ったより低く見えるなんてことも。。。過信は禁物です。

 

リア三角の大きさ

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左側のモデルはシートステイ・シートチューブ・トップチューブがほぼ同一地点で交わるのに対し、右側のモデルはシートステイの付け根が大きく下がることによりフレームの後ろ三角が小さくなっていることが分かる。

後ろ三角の大きさはバイクの反応性にも影響する部分、もちろんバイクのルックスにも大きく影響します。小さい方がレーシーで高剛性、反応性向上。大きい方がトラディショナルでしなりが効くため乗り心地が良い傾向に。

 

シートチューブ

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シートチューブがトップチューブから突き出たモデル。このタイプは固定力が安定したシートクランプを採用しているものが多い。
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いわゆる“ぱっつん”タイプ。このタイプはしなりの良い臼式のクランプ方式のものが多く、エアロ形状のレーシーなバイクに多い。

また、シートチューブがトップチューブから飛び出す形状なのか、いわゆる“ぱっつん”なのか。これによってもバイクの印象が大きく変わります。レーシーなバイクはぱっつんが多く、トラディショナルなバイクは飛び出しているものが多い傾向に。

 

ケーブルルーティング

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FSA VISIONのケーブル内装規格“ACR”は、ハンドルは勿論、ステム、フレームへと完全にケーブルが内装される。

ケーブルのルーティングも見た目を決める大きな要素です。大きく4通りあり、完全外装、フレーム内装、ステム下露出・フレーム内装、完全内装といったところでしょうか。ケーブルのハンドル内装化が進んでおり、整備性にも影響する部分です。ケーブルが見えないだけでロードバイクの見た目は大きく変わりますよ。逆にクロモリのグラベルなどワイルドなルックスを求める方は完全外装のものもいいかもしれません。

 

設計思想を含めたルックス

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このバイクはホリゾンタルなのか?ケーブルは内装式なのか?ワイルドなバイクなのか?レーシーなバイクなのか?見た目の好みはもちろん、それを言語化することでバイクの設計思想を想像出来たり、より好みのルックスの1台に出会えるかもしれません。今回は割愛しますがエキスパートの方は、ジオメトリからバイクの性格を紐解くのも面白いですね。あくまでも傾向なので、頭でっかちにならず、柔軟に、バイクを選ぶ一助になれればと思います。

 

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まずは実車を見て考えましょう。御来店をお待ちしています。


  


 

 

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