2018/05/30 18:59
【脱ビギナー⑥】フィジカルのベース、低強度・長時間【ロードバイクで巡行30km】
by: 永平 宏行
世に広まっている
「ロードバイク、脱ビギナー」
の基準。
時速30kmで巡行
達成をターゲットに、
「ロードバイクで
速くなる方法」
を、お節介にも全8回の連載でご紹介するブログの第6回です。
~シリーズリンク集~
今回は、連載の本題「フィジカル強化」の前編、
低強度・長時間
についてのお話。
前回の予告通り「ほどほど」~「ややきつい」負荷で
無理なく続けられて、
でも、効果の高い
トレーニングをご紹介します。
※効果には個人差があります
時速30km/hで巡航できるフィジカルを獲得するための、
ほどほどの強度で、
効果が高くて、
続けられるトレーニング
とは?
答えはタイトル通り、
低強度で長時間、
乗り続ける!
これだけです!
大雑把に言うと、いわゆるLSD※です。
※Long Slow Distance:長い距離をゆっくり走ること
それ知ってるよ!そんだけ?って突っ込みが入りそうですが…
シンプルに言い過ぎましたが本当です。
「んなこと言っても、LSDなり低強度・長時間なら今だって乗ってるよ!」
ごもっとも。
補足すると、広義ではLSDに含まれて埋もれがちな、
LSDの上の強度
「耐久走・テンポ走」
も取り入れましょう、しかも
「意識的に」
というのがポイント。
LSD=鼻歌交じりで走れるペース
=「楽である」強度
耐久走・テンポ走=少し息が上がるペース
=「ほどほど~ややきつい」強度
恐らく30km/h巡行が出来ない方の多くが、
LSD止まりの強度で走られているかと思います。
それよりも上の強度がいきなり「坂や峠の登り」で、
「かなりきつい~非常にきつい」に突入してしまう
「間が無い状態」なのではないかと。
理由は簡単で、LSDペースが楽で気持ちいいからですw
人間、進んで辛いことはしたくないですからね(-_-)
そこで、普段の巡行走行を少し上の強度「中強度・中時間」に、
「意識的に」上げることでフィジカルの強化が期待できます。
過負荷の原理に則った負荷のレベルアップです。
しかも、いきなり高強度ではなく、身体的にきつ過ぎない「ちょっとだけの努力」なので、誰でも無理なく続けられるのです。
イメージ的には、LSDと高強度の「間」の能力を鍛える感じ。この領域、「中強度」実は「意識」しないと往々にしてすっぽ抜けてしまう、だけど凄く重要な領域なのです。
「ただのLSDだけでなく、中強度もやるのは分かった。でもどの程度が耐久走やテンポ走なのか、よく分からないよ!」
ごもっともです。
そこで、
感覚値に頼らず、
数値で強度を管理できる
ツールが必要です。
それが、
【心拍計】
です。
ハートレートモニターとも言いますね。
1分間あたりの心拍数を計測する機器です。
主観的運動強度によらず、心拍数=心臓の頑張り具合で
運動強度を定量化するツールです。
科学的トレーニングにおいて、最もポピュラーな存在。
胸に装着するセンサーベルトで心拍を計測、
もしくは腕時計タイプのセンサーで心拍を計測して、
サイクルコンピューター(サイコン)にデータを表示させます。
上段のbpmが”beat per minuite”で1分あたりの心拍数です。
(腕時計タイプならサイコンなしの単体でも表示可能)
更に一歩先の科学的トレーニングのツールとして「パワーメーター」がありますが、これについては第7回で詳しくご紹介します。が、トレーニングの精度や深さ、幅広さにおいてこれに敵うツールは無いので、もし予算が許すなら心拍計と併せて導入して頂いてもOKです。
「でさ、道具は分かったから肝心の強度はどうなのよ?」
ご安心ください。
ちゃんと答えを用意しています。
ごくごく、シンプルに行きます。
最大心拍数の70~80%で走る
これだけです。
簡単ですね♪
※ちなみにLSDなら60~70%くらい
※強度設定には様々なメソッドがあるので上記は一例ですが、
多少前後してもこのゾーンなら効果に大きな影響はありません
このゾーンの運動を繰り返すことにより、主に心臓と全身の血管系の機能が強化され、巡航速度アップが期待できます。
実施上のポイントを補足すると、
- 最大心拍数とは?:簡易的には220-年齢で求められる。例えば35歳なら185拍。70~80%に当てはめると130~148bpmが耐久走のターゲットゾーン心拍となる
- 期間:頻度にもよるが最低3か月~の長期間の取り組みが必要。すぐに効果は出ないのでじっくり取り組むことが肝要
- 頻度と量(例):
平日30分×2日(アップ10分・ダウン5分、計45分)、休日1時間(+LSD数時間)×1日
大事なのは、このくらいの頻度で「間を開け過ぎずに運動を継続する」こと。間が開き過ぎると効果が期待できません。
週末ライダーの走力が伸び悩む理由はここにもあります。早朝ライドや、通勤ライド、次回ご紹介する「室内トレーナー」を活用して、平日にも運動できる環境を整えるのがお薦めです
※上記は取組みやすいモデル例として設定。強度が守られていて、かつ体力的に無理が無ければ頻度と時間ともに増やしてOKです
- LSDもあっていい:今回の記事は、現状LSDレベルで走っているけど伸び悩んでいる、という前提なのでLSDより一歩上の耐久走・テンポ走に上げるのがポイントではありますが、LSDでも(時間効率は悪いものの)同様の効果が見込めるのでやめる必要はありません。LSD+耐久走・テンポ走の取り混ぜでフィジカルのベース作りに取り組んでください
- 数値にとらわれ過ぎない:ターゲットゾーンを守ることは大事ですが、心拍は体調の影響に左右される(体調が悪いと高く出る、疲れていると運動中の上りが悪い)ので、主観的運動強度のターゲットである「ほどほど~ややきつい」という「感覚」も大事にしてください
こうした点に留意して取り組んでみましょう。
トレーニングの効果が出たかどうかは、
「同じ心拍数で巡航できる速度が上がる」
「起床時の心拍数が下がる」
という形で現れます。
巡航速度が上がれば、今回の狙い通りですね♪
効果が出るまで時間はかかりますが、信じて続けましょう!
モデル例のように間を開け過ぎずに続けることがポイント。
信じる者は、速くなる。
地道に積み重ねることが大切です。
強度が高すぎないので、続けることも容易ですしね(*’ω’*)
恐らくほとんどすべての方が、このトレーニングの継続で
30km/hで巡行
は達成できると思います!
【メリットたくさん!低強度・長時間】
低強度・長時間運動の継続(しつこいようですが継続がポイント!)により、主にフィジカルの向上(心臓と血管系の機能強化)で巡航速度の向上が期待できる、と紹介しましたが、それ以外にも低強度・長時間運動のメリットはたくさんあります。
ひと言で言うと、
燃費が上がります(‘ω’)ノ
高強度領域も強化できます!
もう少し詳しく分解すると、
- フォームが洗練される
(効率アップ!) - ペダリングスキルが向上する
(効率アップ!) - エネルギー源として脂肪の利用比率が高まる
(ダイエット効果!スタミナアップ!) - 体内エネルギー貯蔵量の増大
(スタミナアップ!) - 疲労からの回復時間短縮
(効率アップ!) - 運動能力全体の底上げ
(ベースが上がれば高強度域も底上げされちゃう!)
などなど。
サイクリストとして最低限備えておきたいベースの能力が向上します。第2回~3回「走りのベース」で紹介した効率化による燃費アップは、このゾーンの運動を繰り返すことで磨き上げられてゆくのです。俗に言う「地脚」が出来上がる訳です。
ベースが強化されると、その上に構築される高強度(体力の上限)も
高く、強固にすることができます。
低い強度でトレーニングして、高強度の強化もできるってお得?!
なので、この連載の前半「走りのベース」と、後半「フィジカル強化」は実は一体で、どちらが欠けてもダメで、同時進行でお互いを高めて行くものなのです。これぞまさに、
脱ビギナー!
ですね♪
次回は30km/h巡航の「ベース」の上に「強さ」をトッピングする方法についてご紹介いたします。
いよいよ、
つらい領域に突入です(‘Д’)!
このブログが、脱ビギナーの関門、
時速30kmで巡行
を突破するお役に立てれば幸いです。
この関門を突破できれば、ロードバイクで
もっと速く、もっと遠くへ、もっと楽しく
行けるここと思います。
楽しく、気持ちいいロードバイク。
脱ビギナーを果たして、
これからもず~~っと楽しんでください!
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