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2019/10/25 17:00
【月刊ディスクロードをガチインプレ!②】CIPOLLINI BOND2【MADE IN ITALY】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
9月から始まった連載ブログ、
【月刊ディスクロードをガチインプレ!】
特設サイトはこちら↓
遅くもないけど速くもない、アラフィフのおっさんが毎回最低100kmをノルマにハアハアしながら最新ディスクロードをガチ(おっさん的当社比)でインプレします。
インプレだけじゃなくて、メリット・デメリットや規格の話など「ディスクロードの基礎知識」も紹介しています。
(リンク先は特設サイトと同一ページです)
近年の自転車界の一番のイノベーションは、ロードバイクへのディスクブレーキの搭載・普及です。
ただディスクブレーキを付けただけではなく、それが引き金になってロードバイクの性能自体が一歩上の次元に引き上げられた点が大きな進歩です。
今回もそんな「ロードバイクの最先端」を脚でジャッジすべく、街から山まで沢山乗り込んできましたよ!
2020 CIPOLLINI BOND2
リムブレーキモデル:¥398,000+税
DISCブレーキモデル:¥418,000+税
(フレーム販売モデルです)
ブランドサイトはこちら。
完全イタリアンハンドメイドブランド、チポッリーニの最新作。長らく看板モデルとして人気を博してきたBONDが「2」に進化!
【バイクのキーポイント】
実走感をお伝えする前にこのバイクのキーポイントを紹介。
以下、当社チポッリーニ担当の奥平店長のブログより引用
目次
- 1 【最新イタリアンカーボンロード】BOND2商品紹介 & 最速インプレ
- 2 【ディスクロードとは何ぞや?】メリットとデメリットを知ろう!【基礎知識①】
- 3 【ディスクロードとは何ぞや?】油圧?機械?アクスル?ローター?パッド???【基礎知識②】
- 4 >>>ディスクロードインプレ
- 5
- 6 【月刊ディスクロードをガチインプレ!①】SCOTT ADDICT RC【国内最速試乗】
- 7 【月刊ディスクロードをガチインプレ!②】CIPOLLINI BOND2【MADE IN ITALY】
- 8 【月刊ディスクロードをガチインプレ!③】PINARELLO PRINCE DISK【ど真ん中カーボン!】
- 9 【月刊ディスクロードをガチインプレ!④】LOOK 795 BLADE RS DISC【エアロモンスター!】
- 10 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑤】BIANCHI OLTRE XR3 DISC【スーパーシルキー!】
- 11 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑥】TREK DOMANE SLR9【エンデュランス、なのか?!】
- 12 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑦】FELT AR ADVANCED【空力もコスパも最上級!】
- 13 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑧】CANNONDALE CAAD13【無にして万能?!】
- 14 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑨】CANNONDALE SUPERSIX EVO DISC【最先端×優しみ】
【最新イタリアンカーボンロード】BOND2商品紹介 & 最速インプレ
>>>コンセプト
THE ALLAROUND
“あらゆるサイクリストをあらゆるシーンで満足させる走行性能を秘めた軽量オールラウンドレーシングバイク”
前モデルからコンセプト継承です。
>>>今回のモデルチェンジで変わった点
①軽量化
リムブレーキモデル 1050g → 990 g
ディスクブレーキモデル 1080g → 1020 g
と60gの軽量化を達成。
カーボン素材を東レT700からT800へ変更したことと、カーボンのレイヤリングを最適化したことでパワー伝達性の良さはそのままに軽量化。
②振動吸収性UP
「Cross bow function」
リアバックの形状を弓なりにすることで振動吸収性をアップ。長距離のライディングに必要な振動吸収性と走行性能の高さの両立に成功。
③その他の特徴
今までのBONDが持つ美点はそのまま継承。
・ひと漕ぎでわかるパワー伝達性の高さ
・レースに最適化された操作性の高さ
・イタリアンデザインの機能美
これらに加えて空力性能を意識したカムテールデザインを随所に盛り込んで来ましたね。
ふむふむ、今回も試乗が楽しみです!
いつも通り、結論から。
ひと漕ぎでわかるパワー伝達性の高さ!
伸びのある加速感!
コンセプト通りのオールラウンダー!
はい。いいバイクに乗ると思わず笑みがこぼれます。
では、どんなポイントがそう感じさせたのか、いつも通りちくちく綴って行きましょう!
・自宅まで試乗車持ち帰り 27km
・自宅から埼玉・飯能へインプレライド 104km
計131kmです。
あ、来週試乗車を事務所に返すので+27km追加されますね。
【事務所でポジション出し】
いつも通り、本職?のバイクフィッティングシステム
「バイオレーサー」でマイポジションを落とし込み。
↓こちらの身体スペック(174cm胴長短足)で、サイズM・ステム130mm 72度でポジションが出ました。
事務所でステム交換中。お茶の水店の石川君サンクス!
さらに今回は、帰宅ライドでの微調整を省くため、スマートレーナーによるポジション出しも実施。
もちろん大好きなZWIFT起動!試乗車にパワーメーターが無くてもZWIFTのバーチャル世界で平坦~登坂とパワー値見ながらサドル位置を微調整。便利な世の中だ~。
大人の事情で一部モザイク掛けています
チューブレスタイヤのセッティングもマビックアプリでばっちり。
しかしまあ28cチューブレスともなると低圧ですね。
マイポジションがばっちり落とし込めたし、タイヤのセッティングも出せたので、いざ実走!
【帰宅ライド】
終業後、30km巡行で強度は上げず流しで帰宅。
パッと漕ぎ出しからスピードに乗せただけで…
「ふぁっ!た、楽しい!」
世の中いろんな性格のバイクがあって、じっくり乗り込まないと良さが引き出せないものもあれば、パッと乗って分かるバイクもある。
BOND2は後者。
前回のADDICT RC PROのおいしいところを引き出すには高速域(自分的には35km~40km超)で乗ることが求められましたが、BOND2はひと漕ぎするだけで加速の良さにニンマリできるバイク。
※決してADDICT RC PROが劣る訳ではありません。キャラの違いです。詳しくは前回のインプレで。
この日はすでに朝練で90TSS稼いでいたので、期待に胸をふくらませつつも抑えて流しで帰宅。翌日のロング練インプレライドが楽しみ!
【BOND2で名栗路へ】
自分の庭?の埼玉は飯能・名栗エリアへ。
エリア選定がワンパターンですが、台風19号の被害で各地の峠は軒並み通行不可だったので、比較的影響の少なかった名栗路でまたライド。
何となくチポッリーニのイメージとして
「パンチの効いた走り」
を勝手に想像していたので、ロングクライムではなく3分~5分前後で登り切れるような短い峠や坂を繋いでライド。
名栗エリアで数か所の峠・坂を、表から裏から登ったり下ったり…。狭いエリアで約60km・1000m弱アップ。
(平坦路のアプローチが往復40km)
最大心拍は何かのエラーですねw
・バーディー坂(小曽木側)
・小沢峠(成木側)
・名栗湖への坂(通行止めで途中まで)
・山王峠(名栗側)
・山王峠(成木側)
・小沢峠(名栗側)
・クリーンセンター坂(成木側)
地元民しか分からないなコレ…
ロングクライムもいいけど、こういうパンチャーステージ的な走りもイイですよね♪
平地は曇りでしたが、山に近づくと本降りじゃないどけ雨模様。
前回に続きディスクロードを試すのに絶好のコンディション?
【巡行】
で、肝心の実走して感じたことは、まず
意外と?巡行性能が高い
アプローチの平坦路から丘陵地帯の緩斜面まで、スルスルと気持ちよくスピードに乗って、それを維持できる。
多分に履いているホイール・タイヤ(28C)の影響も大きいかと思いますが、ホイールの特性を引き出せるフレーム剛性の高さを感じました。
ホイールは「キシリウムプロカーボンUST」
(NON SLモデル、タイヤは純正のイクシオンプロ28Cチューブレス)
「タン!タン!タン!」
と、ギアをシフトアップしたら気持ちよくバイクがグイッグイッと応えてくれる。
よく走るバイクはこれがスパンッと決まる!
ヘッド~BB~チェーンステーに至るパワーセクションがカッチリしている故の反応。よく走るバイクに共通の感覚的・構造的特徴です。
BOND2は特に下1×1/2″・上1×1/4″のヘッドベアリングを採用しているので、ヘッド~フォークの剛性の高さを強く感じます。
※ステアリングコラムは1×1/8″
もちろん、ディスクロードなのでハブのスルーアクスルの恩恵でもありますね。
剛性は十分に高い部類だけど、ガチガチではなく、むしろ「粘り」を感じる足応え。
粘りだと重く感じるので、言い換えると「伸び」かな?
初期加速は「スルスルスイ~」っと透明感のあるスピードの乗りを見せ、スピードが乗ってからは決して重くはないけど「じわ~じわ~」っと「粘り」「伸び」を見せる感じ。
スピードが乗ってからもカッチリした応答が欲しい人には合わないかもしれないけど、シッティングでトルクを掛けて比較的下まで踏み抜きたいタイプの人により向いているかと思います。
ああこれ、出来のいいバイクの「乗り味」を凄くびみょ~なところで語ってますw
【登坂】
これも意外で?シッティングが向いているバイク。
430m 9%のパンチの効いた坂でグイグイと
1.6km 8%の峠でジワジワと
チポッリーニに対して勝手に「やんちゃ」なイメージを抱いていて、走りもやんちゃ=立ち漕ぎでギュンギュン進む感じ?なんだろうと思っていたらさにあらず。
しっかり腰を据えてトルクを掛けて登った方が相性がいい様子。
前回のADDICT RC PROがシッティングはもちろん、ダンシングでの登坂でより輝きを増したのと対照的。
もちろん感じ方には個人差があり、主観的な感想です。
ただ、ADDICTではオールダンシングで通せた6分の峠で、そうする気にはならなかったのも事実(連トレで疲れてるだけ?それだけじゃないと思うけど)。
これは平坦~緩斜面で感じた「粘り」「伸び」のあるキャラクターが、登坂だとこういう形で表れたのだろうと思います。
振動吸収性向上を狙ったこのリアセクションの形状も、この「粘り」「伸び」に貢献しているのかも。
BOND2、自分の勝手なイメージとは裏腹に、暴れん坊というよりもむしろ「優等生」な走りでした(^^;)
これならロングクライムした方が良かったか…。コース選定間違えたかな?
【振動吸収性】
今回のモデルチェンジの売りのひとつ。
レースバイクなので、エンデュランスモデルのようなあからさまな振動吸収性はありませんが、必要十分な快適性。
28cのチューブレスを履いたホイールの効果を差し引いても、100km走行後にも振動からくる疲労感は皆無!
CROSS BOW FUNCTIONが想定通りの効果を発揮しているのかもしれません。
【スプリント】
市街地の平坦路に戻り、ライドの終盤で疲労が溜まっているけれど見通しの良い直線でスプリントを試してみる。
下ハン持って立ち漕ぎして、ギアをタンタンタン!とシフトアップ。よどむことの無い加速と伸びを見せます。
(せいぜい600wくらいのおっさんの抜け殻スプリントだけどな!)
はぁ~…さすがは名スプリンターの起こしたブランドだけあるわ。巡行のところで書いた「粘り」「伸び」がここでも発揮されていました。
大きく分けて踏みの局面で「カチ」っとしているのと、「グイ」っと伸びるのと、二通りの味付けができると思いますが、BOND2は完全に後者。
これはもう良し悪しではなくて完全に好みの問題ですが、疲労の溜まった状態でより踏みやすいのは後者の「グイ」っとした方。
(決して「カチ」っとしてると疲労した時に踏めないという意味ではなく…難しい)
高剛性でカッチリしていても「一枚岩」「ボックス感」のあるフレームでは無く、「粘り」「伸び」を併せ持った足当たりの優しいフレームと言えますね。
【まとめ】
>>>加速は鋭く、巡行性も高い
>>>登坂はシッティング向き
>>>高負荷下では「粘り」と「伸び」が特徴
>>>振動吸収性もGOOD
>>>スプリントの伸びも申し分なし
>>>意外と優等生?!
なので、
ひと漕ぎでわかるパワー伝達性の高さ!
伸びのある加速感!
コンセプト通りのオールラウンダー!
という評価となりました。
ブランドイメージと裏腹に(軽快さ、進みの良さは十分にある上で)良い意味でとがっておらず、オールラウンダーのコンセプト通りの扱いやすい高性能バイクでした。
幸か不幸か本降りじゃないものの、この日も雨。でもディスクロードなので制動力に全く不安なし。
ダウンヒルも何の恐怖もなくこなせた、というかリムブレーキの感覚でブレーキ掛けるとコーナー手前で減速し過ぎてしまった…。
これもいいバイクだな…。
そして美しい。流石イタリアンバイク。
アジア生産ではない完全ハンドメイドinイタリー。
所有欲までも満たしてくれます…。
パールホワイトが美し過ぎる!
ほんと、こんなバイク乗れる人は幸せだね。
BOND2のブランドサイトで店舗スタッフのインプレも読めますので、こちらもどうぞ。
また良いバイクを味わってしまった…。
(買い替え予算も無いのに脚が肥えてしまって困っちゃう)
次回のガチ乗りインプレもお楽しみに!(毎月いいバイクに乗ってトレーニング出来るから楽しみだな!)
【おまけ】
飯能には木曜しか営業していない
映えるカフェ
があって、土日休みの自分はずっと行けなかったのですが。
今回、狙ってたまたまインプレ日が木曜だったので初訪問することができました!
LIVING ROOM 61
元々映えるバイクがより映えます。
落ち着く店内でシンプルだけど素材にこだわったカフェ飯とスイーツを堪能♪
(チームジャージのぼっちのおっさんだけどな!)
名栗ダム麓の「やませみ」では名栗まんじゅうで糖質補給♪
10日連続トレ&ライドしてるからご褒美ということで!
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