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2020/04/16 23:11
【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑨】CANNONDALE SUPERSIX EVO DISC【最先端×優しみ】
by: 永平 宏行
バイオレーサーの中の人です。
ついに今回が連載最終回となります!
昨年9月から始まった連載ブログ、
【月刊ディスクロードをガチインプレ!】
特設サイトはこちら↓
遅くもないけど速くもない、アラフィフのおっさんが毎回最低100kmをノルマにハアハアしながら最新ディスクロードをガチ(おっさん的当社比)でインプレします。
インプレだけじゃなくて、メリット・デメリットや規格の話など「ディスクロードの基礎知識」も紹介しています。
(リンク先は特設サイトと同一ページです)
近年の自転車界の一番のイノベーションは、ロードバイクへのディスクブレーキの搭載・普及です。
ただディスクブレーキを付けただけではなく、それが引き金になってロードバイクの性能自体が一歩上の次元に引き上げられた点が大きな進歩です。
今回もそんな「ロードバイクの最先端」を脚でジャッジすべく、街から山まで沢山乗り込んできましたよ!
2020 CANNONDALE
SUPERSIX EVO CARBON DISC
FORCE eTap AXS
¥595,000+税
メーカーサイトはこちら
ロードバイク界、20年モデル最大の話題はこのSUPERSIX EVOのフルモデルチェンジ。
ラインナップは大きく分けて、使用しているカーボン弾性率の違いにより上位モデルのハイモッドと、今回試乗したノーマルモッドがありますが、このFORCE eTap AXS仕様はノーマルモッドの最上位仕様となります。
※過去の自分のブログではStd Modと表記していますが、今回はノーマルモッドと表記します
軽量セミエアロフレーム、インテグレーテッドエアロハンドル&ステム、35mmカーボンクリンチャーホイール(チューブレスレディ対応)、油圧ディスクブレーキ、ワイヤーフル内装、無線電動リア12速、ショートノーズサドル、と現在のトレンドを全て押さえた最先端仕様のバイクです!
もはや“未来”かとw
【バイクのキーポイント】
実走感をお伝えする前にこのバイクのキーポイントをご紹介。
>>>空力向上で旧モデル比30wセーブ
(48.3km/h時)
>>>“ブランド最軽量”ディスクブレーキモデル
(最軽量はハイモッドとなります)
>>>シート周りの柔軟性18%UP
>>>最大タイヤ幅30mmまで対応
(ディスク仕様のみ)
軽量レーシングモデルとして不動の地位を確立した前モデルに、現在のロードバイクに求められる「空力」「ディスクブレーキ」「快適性向上」をスペックイン。
それでいて歴代のEVO同様の「軽量性」も犠牲にしないという、何とも贅沢なコンセプト。ちなみにペダルレスの実測8.25kg。アルテグラやFORCEが付いたディスクロード中級完成車の標準値が8.3~8.5kgの中で軽量な数値をマーク。
果たしてこの「未来スペック」の「全部盛りバイク」の実力はいかに?
いつも通り、結論から。
エンデュランスモデル並みの快適性!
細くて軽いのにエアロ!
下りのスタビリティ高し!
スムーズ&マイルドな踏み心地!
では、どんなポイントがそう感じさせたのか、いつも通りちくちく綴って行きましょう!
・職場~自宅往復 54km
・自宅から都民の森、風張峠へインプレライド105km
計159kmです。
軽量ディスクロードに相応しい舞台、東京随一のヒルクライムのメッカ「都民の森」でインプレです!
肝心の都民の森のTTタイムは自分がベスト体重+3kgなのもあって、ソロのベストタイム+3分と至って平凡でしたが、登り・下り・巡行と、バイクの特性をしっかりと見極めてきました。
【事務所でポジション出し】
いつものやつです。本職のバイクフィッティングシステム「バイオレーサー」でマイポジションを落とし込み。
↓こちらの身体スペック(174cm胴長短足)で、サイズ51・ステム140mm 84度でポジションが出せました…
と行きたいところだったのですが、専用ステム&ハンドルのコンボなのでデフォルトの90mmで我慢。
でも、ハンドル落差だけはしっかり出しておきます。
専用のコラムスペーサーは割りが入っているので、そこからワイヤーを避けてステムを上下に移動できます。
ステムにワイヤーが中通しされておらず、カバーで隠す方式なのでステム交換が容易です。
自分が普段使っている前乗りに適したショーノーズトサドル、 PROLOGOのDIMENSIONが付いていたので、サドル周りのセッティングはマイバイクの寸法を落とし込むだけでスパッと完了。
しかもパッドを厚くしたNDR仕様なので、ノーマルよりも快適でした♪
では、ポジションが出せたので、いざ実走へ!
【おおっ、かなり快適!】
漕ぎ出して感じた第一印象はコレ。
“レース”スペックのロードバイクという先入観を持って乗ったけれども、乗り心地の良さにまず驚きました。
かなりコンフォートな味付けがされていて、ちょっとびっくり。
走りのキモとなるフロント周りは、スルーアクスルハブ⇒上下異径ヘッド⇒専用ハンドル&ステムという流れで、しっかり剛性を確保していますが、リアからの突き上げ感がかなりソフト。
低い位置でシートチューブに接合された、ドロップドシートステーとHOLLOWGRAM 27SL KNOTのD型シートポスト、横偏平形状のSAVEチェーンステーによる相乗効果でしょうか。
25cタイヤながら、28cタイヤを履いてるかのようなスムーズ&マイルドな乗り心地♪
乗りはじめだけでなく、105kmのインプレライド終盤でも関節の節々が痛くなるような嫌な感覚は一切なく、痛みに気を散らされることなくペダリングとフォームに集中してライドできました。
【得意なシチュエーションは?】
「軽量ディスクロード」というポジション(先入観?)からすると意外かもしれませんが、このEVOが得意とするのは、
「平坦~緩斜面の巡行」
「高速ダウンヒル」
だと感じました。
SYSTEMSIXのようなフルスペックの「エアロロード」にはもちろん見劣りますが、全身にカムテール形状をまとった新EVOの空力は侮れません。
それが平坦~緩斜面の巡行性能に表れているようです。
フレームだけで圧倒的な空力アドバンテージを稼ぐのではなく、ハンドル、ステム、シートポスト、ホイール、ワイヤーフル内装といった完成車全体のパッケージングによって、小さな改善を積み上げた結果の空力性能なのではないかと。いわゆるマージナルゲインってやつです。
軽さも求められる「オールラウンドモデル」でありながら、巡行時の空気の抜けの良さをしっかりと感じることができましたし、これは距離が長くなるほど体力を温存する上で大きなメリットになると思います。
また、過度に高くない適度な剛性感によって、テンポ走レベルのペダリングがスムーズに刻める点も、この巡行の良さに繋がっているようです。
もうひとつの美点、高速ダウンヒルについて。
今回、インプレコースに選んだ奥多摩周遊道路、最高地点の風張峠から数馬の集落あたりまで、この近辺では有数の高速ダウンヒルが楽しめるルートです。
(あくまで自身の技量の範囲で安全第一で楽しみましょう!)
これまでのインプレバイクを同じ土俵で比べていないので、あくまで感覚ですが、EVOの下りはかなり良かった!
軽量オールラウンドバイクゆえに、下りでネガティブな面が出るのではないかと余計な心配をしていましたが、まるで逆。
スルーアクスルの恩恵か、バイク全体のスタビリティが高い上に、油圧ディスクブレーキによる指先ちょいっ!で効くスピードコントロール、軽さゆえの身のこなしの良さも相まって、労せずして攻めた走りができてしまい、ちょっと感動。
下り好きなら病みつきになる高速ダウンヒル性能でした♪
敢えて重箱の隅を突けば、若干アンダーステア気味なのでヒラヒラとしたアグレッシブな操作性は無いものの、逆に安定志向と考えれば個性の範囲かと思います。
安定志向だから高速ダウンヒルに向いているとも言える訳で。
と、意外なシチュエーションをEVOは得意としていました。
【他のシチュエーションは?】
得意なシチュエーションは分かったけれど、他はどうなの?というと、極めて優等生的なバイクです。
大手メーカーらしくコストを抑えながら、バイク全体の味付けをキチっと上手い落としどころでまとめてあるなぁ、と。
例えば、斜度が上がってからの登坂性能は一定ペースでテンポを刻む走りなら平坦の巡行同様、不満は無く、軽量ディスクロードの名に恥じません。
ただし、“急”なトルク変動へのレスポンスは、流石にハイエンドバイクには一歩譲ります。
斜度変化に合わせて瞬間的に力を込めたり、ダンシングをする際などですね。
以前乗ったハイモッドのEVOはそうした急なトルク変動にもテンポよく反応してくれたので、やはりコスト(=素材)の違いがペダリングフィールに表れているようです。
同じく、スプリントでも「カチッとした剛性で掛かりが良く」というハイエンドバイクの踏み心地ではなく、じわっじわっと踏力が伝わるタイプです。
踏み込んだ際に、「硬さ」よりも「弾性」を強く感じる、と言えば伝わるでしょうか?
乗り心地の快適性同様に、ペダリングフィールも総じて「マイルド」な味付けです。
平坦巡行~緩斜面のシチュエーションではハイモッドとノーマルモッドの差は小さいけれど、入力が大きく、急になるほど、その差が感じ取れます。
ハイモッドとノーマルモッド、2つのグレードの立ち位置の違いが試乗を通して見えてきました。
全部盛りの未来的スペックから想像されるキレッキレのレーシングモデルではなく、中弾性カーボンの素材特性を活かした、初中級者にも優しい、乗り手を選ばないマイルドな味付けの扱いやすいミドルグレードバイク、というのがEVOノーマルモッドの立ち位置のようです。
半面、「素材」よりも「設計」や「構造」に左右される空力性能や下り性能は、クラスを超えた上位モデル譲りの走りを披露してくれる訳ですね。
【まとめ】
>>>トレンド全部盛りのハイテクバイク!
>>>設計・構造で空力と下りはクラス超越!
>>>けれど味付けは“マイルド”で優しい♪
>>>乗り手を選ばないオールラウンドバイク!
今どきのハイテクスペックによるメリットを全て享受しながら、扱いやすい味付けがなされた優しいバイク。
カリッカリのレーサーが欲しい方ならハイモッドをお薦めしますが、ガチ感薄く、ロングライドをファストランするならこのノーマルモッドがお薦め。
「速さ」を求めつつも、乗り心地やペダリングに「優しさ」も求めるならベストアンサーじゃないかと。
下りの制動力・操安性も含めて、乗り手に苦しい思いを一切させない、何かを強いることのない「優しみ」溢れるハイスペックバイクでした!
ちなみに同一フレームで別仕様のラインナップもあり、最新のEVOはリーズナブルな価格でも展開されています。
SUPERSIX EVO CARBON DISC ULTEGRA
¥390,000+税
インプレはこちら(社員試乗会インプレへ)
SUPERSIX EVO CARBON DISC 105
¥260,000+税
インプレはこちら(東大和店インプレへ)
予算と仕様で、どのグレードにするかご検討ください!
(ちなみにもっとリーズナブルなリムブレーキ仕様もあります!)
【Ride Solo / Social Distancing】
今回のインプレライドは新型コロナウィルスに対する「緊急事態宣言」が出された翌日に行いました。
「不要不急の外出を控えて」という呼びかけの中、仕事のインプレとは言え、ロングライドをするのは後ろめたい気持ちもありました…。
「自分が感染していない保証はない」
「ロングライドで遠隔地にウィルスを運ばないか?」
「感染していなくても、交通事故で貴重な医療リソースを食わないか?」
などの考えが頭をよぎりました。
なので、各自転車メディアでも取り上げているように
・Ride Solo(これはいつもなんだけどw)
・歩行者、自転車などと距離を保つSocial Distancing
・寄り道しない(今回コンビニ等お店での休憩ゼロ、補給食は全て持参、立ち寄りは自販機とトイレだけ)
・いつも以上に交通事故に遭わないように気を付ける(平時なら事故しても良い訳ではないけれど)
・手鼻をかまない
という点に留意してのライドとなりました。
コロナ禍はまだ続きそうで、外出自粛を心掛ける日々がしばらく続きそうですが、もし外を走るならRide Solo / Social Distancingで、インドアならZWIFTなどのバーチャルサイクリングアプリで、安全にこの難局を乗り越えましょう!
早くコロナ禍が収束して、自由に寄り道、買い食いw出来る日が来て欲しいものです!
【関連記事】
>>>ディスクロードの基礎知識
目次
- 1 【ディスクロードとは何ぞや?】メリットとデメリットを知ろう!【基礎知識①】
- 2 【ディスクロードとは何ぞや?】油圧?機械?アクスル?ローター?パッド???【基礎知識②】
- 3 >>>ディスクロードインプレ
- 4
- 5 【月刊ディスクロードをガチインプレ!①】SCOTT ADDICT RC【国内最速試乗】
- 6 【月刊ディスクロードをガチインプレ!②】CIPOLLINI BOND2【MADE IN ITALY】
- 7 【月刊ディスクロードをガチインプレ!③】PINARELLO PRINCE DISK【ど真ん中カーボン!】
- 8 【月刊ディスクロードをガチインプレ!④】LOOK 795 BLADE RS DISC【エアロモンスター!】
- 9 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑤】BIANCHI OLTRE XR3 DISC【スーパーシルキー!】
- 10 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑥】TREK DOMANE SLR9【エンデュランス、なのか?!】
- 11 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑦】FELT AR ADVANCED【空力もコスパも最上級!】
- 12 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑧】CANNONDALE CAAD13【無にして万能?!】
- 13 【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑨】CANNONDALE SUPERSIX EVO DISC【最先端×優しみ】
【ディスクロードとは何ぞや?】メリットとデメリットを知ろう!【基礎知識①】
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【月刊ディスクロードをガチインプレ!⑨】CANNONDALE SUPERSIX EVO DISC【最先端×優しみ】
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