街乗り文化からスポーツ文化へ!!
ワイズロード池袋本館 Y'sRoad Ikebukuro honkan
[英語対応可]
2021/11/21 11:38
こんにちは。池袋本館の長山です。
これまで発信して参りました2014年9月のロングライド
「自走de秋田」
の続編その6をお届けします。
本レポートで、健脚自転車・ロードバイクの醍醐味の
一端を少しでもお伝え出来ればと思います。
また、旅に出にくい昨今、このレポートで僅かばかりでも
旅気分を味わっていただけたら幸いです。
2014年10月28日(火) その3
矢立峠、青森県側の下りに入ります。
この辺りの道のりは「あじゃら路」と言うそうで、独特な響きですね。
下りだし、ここは巻いて行くぞ~と意気込んでいたら、
穏やかな秋田県側と打って変わって激烈な向かい風!
コレは海から吹き込む風か!?
そしてほどなく、ざんざん降り。
天候の急変で、峠を越えて異国に入ったんだ、
という確かな実感を得ました。
そして急にまた晴れる。 14:36
大抵、晴れか雨かのどちらかで、曇りの時が少ない不思議な天気です。
道はココ!と光る矢印。 14:53
雪国ならではの装備。
夜間にピカピカ点滅しているときれいです。
青森らしいリンゴ柵。見かける頻度は高く、かなりの普及率。
15時頃、荒れた天気とは思えないくらい
広々と晴れ渡りました。
このまま晴れ優勢だと良いな・・・。
弘前市に到達。 15:17
桜の名所・弘前城は、この秋(2014年)から向こう10年ほど
補修工事に入るようで、桜&城のコラボは暫く見納め。
たまたま今春にその景色を拝む事が出来ました。
(2014年4月29日)
その地に自走で辿り着くと、当時の思い出も一味変わってきます。
過去は変えられない、が普通の考えだと思いますが、
「過去は変えられる」というフレーズをどこかで目にしました。
う~ん??と思っていましたが、
これってそういうことか?と、少し合点がいきました。
何の畑だろう?
やっぱりリンゴかな?
15:19
15時半頃、青森へのラストスパートに備え、コンビニで補給。
おにぎり二個と中華まん、ホットドリンク×2。
おにぎりも温めて貰って、ホット100%。
おにぎりを温めるかどうかは、東京近辺では
まず訊かれませんが、こちらでは常識。
前回9月ライドの途上、埼玉では「おにぎり温めますか?」
と訊かれたのでお願いしたものの、そのまま袋詰めされて
「あ、温めるの忘れました」と言われました。
不慣れな感じ、温める文化圏の境界線だったのかも知れません。
いわきナンバー、長距離戦士の休息。
お疲れ様です!
運ちゃんはイメージのまんま強面な感じでしたが、
助手席前にはミッキーマウス!
お子さんの差し入れか?なんて想像してみたり。
道路上でサイクリストから怖がられがちなトラックにも、
こういうことで親近感が湧いてきます。
ちょっとだけ寄り道。
近くにあった石川駅。 15:52
かつて一緒の店舗で働いたこともある
ワイズロードスタッフの石川さんに捧ぐ!
何の関係も無いとは思いますが(笑)
ここで、電気私鉄として日本最北の弘南鉄道と遭遇しました。
この型式、かつては東急線を走っていた譲渡車両です。
同じ型の車体が、まだ私の地元を通る東急線を走っていて(※)、
前日の朝、蒲田駅に向かっている時にも見かけました。
何となく親近感。
※その後、この車両は東急線から引退して、
岐阜県の養老鉄道へ譲渡されました。
(2018年11月24日 東急線の惜別運行)
夕方になって、北国らしい、寒さと寂しさが漂う
薄暗い空色に染まってきました。 15:57
寒さと時間的な焦りから来る不安感を、強調するような雰囲気。
津軽のシンボル岩木山が見えないなーと思っていたら、
風がヒヤッと冷たい、いやーな感じのざんざん雨に遭遇。 16:01
というか、雨粒が当たると時々痛くて、ぱちぱち音がする。
もはや、純粋な液体ではない!
あられか!?
この辺りから、寒さも急激に鋭くなってきました。
ああ、晴れ間はあんな遠くへ・・・。
と思っていたら、また晴れて。 16:10
晴れと雨が主役の座を争い続けている、そんな感じでした。
りんごだ!!
夕暮れで色彩の鮮やかさが失われていく中、
ここだけ一際極彩色を放っていました。
「冬タイヤお早めに」 16:25
確かにこの寒さなら、もういつ冬景色になってもおかしくない。
深夜は凍結必至でしょう。
その背後にあったホテル・ルートインを見て、
明日が休みだったら泊まりてぇ~!!
と、心底思いました。翌日は晴れ予報でしたし。
岩木山が姿を見せてくれました。 16:32
霊峰・津軽富士、
結構雪を被っていました。
この辺りから雲が優勢。
大抵、暗くなって冷えてくると天気は悪化するんですよね・・・。
嵐でボコボコにされそうな予感・・・。
日暮れと共に、寒さは更に加速。 16:56
冷え込みの鋭さは昨晩以上。
身体は幾分か寒さに順応したようですが、
シューズカバー忘れた足のつま先が痛い!
濡れているから尚更。
まあ、痛覚があるうちは大丈夫だろう!
という強引な前向き思考でやっつけました。
結局、漕ぎながら身体を暖めることで何とか切り抜けて行きますが、
いざとなったらビニール袋を履いて走ろうと思っていました。
この冷たい荒れっぷり、こりゃ
「冬のウォーミングアップ」だ!
なんて感じながら走っていたら、
あとから見た天気ニュースにて、この日の天気が
「冬のリハーサル」
と表現されていました。
どうりで!
この辺りから、空の表情がすごいことになって行きます。
月が現れたり、隠れたり。
恐ろし気な色をした黒い雲の合間に、急に
透き通った宇宙色の空がぽっかりと現れたり。
次々変わりゆく寒々しくも雄大な表情に、
寒さと時間を気にしながらも見とれます。
空は、アートなんだ、と思いました。
そうして見とれているうちに、青森市に到達! 17:18
といっても、まだまだ市の端っこ。
空の表情が見えるうちはまだ良かったですが、完全に暗くなったら
雨と寒さと時間と、戦って走るのみ。
車にも気を遣い続けます。
気温は4℃表示。 17:39
雨は、ひたすら降ったり止んだり。
大釈迦峠へ登坂。 17:51
峠といっても、規模は多摩の連光寺坂程度な印象。
頂上付近では気温2℃とかなっていました・・・。 17:57
消耗で、前日よりも気合の?奇声が確実に少なくなりました。
さっき見た「道はココ!」が点滅。
ちょっと幻想的。
ここで時刻は18時9分。
青森まで約12km、残り時間は際どいですが無理なほどではない。
全然足りなかったら諦めがつくのですが、可能性が残っていると
つい突っ込みたくなる性分。
これは危険な展開!
弘前周辺から広々と走り易かった白線の内側は、鶴ヶ坂辺りから
引き続き幅はあるものの荒れ基調の路面になってしまい、
かといってこの雨と暗さと交通量では白線の外側を走る気にならず。
仕方なくガタガタと荒れたところを突っ切ります。
そのためペースはダウン、もどかしい!
こんなことやっていてパンクしたらやばい、
この雨中にパンク修理はきっついな・・・、
という緊張感も輪をかけます。
そこに、更に!
この二日間に当たった中で最も激しい土砂降りが襲い掛かります。
ドッザーーーーー!!!
うぉぉぉぉぉ!!
こりゃ、サドル上の滝行だ!
というぐらいの降り。
しかも、またパチパチと当たって痛いあられ?
も入り乱れ、もう無茶苦茶。
状況的にも絵面的にも
中島みゆき「ヘッドライト・テールライト」
のサビ部分がピッタリ。
道のりはまだ終わらない!
その7(終)へつづく
CATEYE INOUで取った記録
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