【100% CHIGASAKI -EPA-】エイコサン,ドコサ行った?
by: 遊佐 雪徳

 

100% CHIGASAKI -EPA-

 

エイコサン,ドコサ行った?
(東北弁で)

 

 

 

 

〜緒言〜

 

EPAとはエイコサペンタエン酸のこと.単純構造の不飽和脂肪酸に見えますが,現在の技術では人工的に合成することは不可能です.高純度EPAは,青魚から抽出 → 精密蒸留によって生産されています.

 

 

 

EPAは高脂血症などの薬として,また近年ではアスリートのパフォーマンスアップを目的としたサプリメントとして知られています.YUSAもまた,EPAを積極摂取中です.アクティブな人生を送るためにはEPAが間違いなく必要であると,科学的根拠に基づいて判断したためです.そして目的は人生の成功者になること.成功のためには,何よりも継続が重要です.「継続するために継続すべきこと」の一つとして,2020年10月15日よりEPA積極摂取を開始している次第であります.

 

EPAサプリはこちら.モニター公募を通してお世話になっております.

image

提供

日本水産株式会社(ニッスイ) 様

日本コンピュータ・ダイナミクス 株式会社(NCD)様

 

ニッスイさんのEPAは世界最強のEPA精製技術で生産されており,世界最高のEPA純度を誇ります.オリンピックを目指すアスリートでなくとも,運動愛好家にとってEPA積極摂取はどのような好影響を生み出し,どのような可能性を与えるのか…YUSAが実際に体現しながら,公知の情報やEPAを取り巻く歴史や技術背景等,「100% CHIGASAKI -EPA- 」シリーズとして連載でお送りしてまいります.

 

 

 

 

 

【100%CHIGASAKI -EPA-】と題してEPAに関する連載を開始しておりますが,身体のこと,栄養素のこと,分子のこと等あまり聴き慣れないワードが散見されますので,連載序盤で本稿に整理したく思います.ブログ上で順次追加いたし,努めて分かり易く,興味を持っていただけるように紹介して参りますので,皆様のアクティブライフの一助にしていただければ幸甚に存じます.m(._.)m

 

 

 

「たんぱく質、脂質、炭水化物」は三大栄養素と言われます.そしてEPA・DHA・AAは「脂質」に含まれます.脳の健康にとって大切なEPA・DHA・AAは,体内ではほとんど産生されません.不足しないように毎日意識して食品から摂取する必要があります.健康上望ましい摂取エネルギーバランスは以下に示すグラフのようになっています.

 

日清オイリオさま:油に関するQ&A

 

 

YUSAが繰り返し申し上げているEPA・DHA・AAという脂質郡は,摂取すべきエネルギーのせいぜい20~30%の中の話であることを,まずご理解いただきたく思います.健康的な食生活を送るために気を付けることは,“摂取エネルギーと消費エネルギーのバランス”です(食事・食材に関してはまた後日).偏食になると肥満(メタボ)や病的な痩せの原因になりますので,注意されてください.

 

 

 

YUSAは元有機合成化学者なので,何事も分子構造から理解したくなる傾向があります.分子・原子は物質を構成する最小単位ですから,根本理解に近づくことができます.そのようなわけで,分子構造を毎回のブログで掲示させていただいております.m(._.)m

 

 

EPA:エイコサペンタエン酸

「エイコサ」は数詞で20,すなわちEPAは炭素数20の一つの分子であることを示します.「ペンタ」は数詞で5,「エン」は二重結合(二重線の箇所)のことを示しますから,「ペンタエン」で二重結合が5つあることを示します.「酸」は末端のカルボン酸(-COOH)のことを示します.つまり,エイコサペンタエン酸は”分子内に二重結合を5つ有する炭素数20のカルボン酸”と表現されるわけです.

 

 

DHA:ドコサヘキサエン酸

 

「ドコサ」は数詞で22,「ヘキサ」は数詞で6を示し,EPAと同様に「エン」は二重結合(二重線の箇所)のことを示します.つまり,DHAは”分子内に二重結合を6つ有する炭素数22のカルボン酸”と表現されます.

 

 

AA:アラキドン酸

(EPAの二重結合がひとつ減った分子)

 

 

 

参考:命名法における数詞

アルカンとは - コトバンク

 

 

 

EPA・DHA・AAは総称して「脂肪酸」とも呼ばれます.よく耳にするn-3系脂肪酸(オメガ3)やn-6系脂肪酸(オメガ6)という名称は,上述の分子構造に由来します.難しい名称に聞こえますが,末端から数えて最初の二重結合が何番目にあるかというだけの話です.なんら難しいことはありません(日清オイリオさま:油に関するQ&A

 

 

キユーピー株式会社さまや江崎グリコ株式会社さまの脂肪酸に関するサイトは,とても簡潔丁寧で分かり易く好感が持てますので,こちらも併せて参考にされてください.

 

キユーピー株式会社さま:

油と健康

脂肪酸の機能性

 

江崎グリコ株式会社さま

脂肪酸とは

 

 

 

 

そのようなわけで,脂肪酸の効果・効能に関しましては既存の優秀なサイトにお任せいたし,ここでは切り口を変えてもう少しケミカルなお話をしましょう.EPAモニターのお話を頂いた時,最初にYUSAは思いました.

 

 

「有能な栄養素なら,化学合成をするべきではなかろうか…」

 

 

そうです.化学の原点は,人々の豊かな暮らしに貢献することにあります.資源は有限です.自然界の植物・生物から派生して人間の生活に消費されている原料や製品は,安価で入手容易な原料から合成できる技術に置き換えられるべきです.その精神こそが化学発展の礎となり,今日のSDGsの概念に結びついているのです.しかし緒言で申し上げましたとおり,現在の技術では不可能なのです.理由がいくつかあります.

 

 

シス型からトランス型への異性化

EPAやDHA骨格に見られる複数のシス型二重結合は,トランス型よりもエネルギーが高く不安定で,特定の条件下で容易にトランス型に異性化します.有機合成を試みた場合,工程を重ねて煩雑な精製条件に付してしまえば容易に異性化してしまいます.高温化での反応・蒸留精製も不可能でしょう.

 

 

自動酸化

自動酸化は油脂劣化の原因として知られます.脂肪酸に酸化防止剤が入っているのは,自動酸化を防止するためです.もちろん,冒頭で紹介したニッスイさんのSports EPAにも酸化防止剤が含まれています.皆さんも「油が酸化される」という表現を耳にすることがあると思いますが,実際に分子レベルで何が起こっているかを知る人はほとんどいないでしょう.

 

自動酸化は酸素とのラジカル反応で進行します.油脂中の炭素鎖は酸素とのラジカル反応によってフリーラジカルを生じます.とくに不飽和結合を含む脂肪酸のアリール位(二重結合の隣)はラジカルが安定化するためにフリーラジカル(・)が生じやすく,O-O結合を含む過酸化物(パーオキサイド)が生成します(下式)

 

 

 

自動酸化の受けやすさは,二重結合の数と活性メチレン基の数が影響します.

 

 

 

活性メチレン基は2つの二重結合に挟まれたメチレン基(-CH2-)のことで,ラジカルが発生しやすい部位です.DHA・EPA・AAなどは活性メチレン基を複数もっているため,極めて酸化を受け易く,反応性が高い不安定な化合物です.

 

 

以上のような理由から,EPA・DHA等の化学合成は技術的に極めて困難であり,現在は青魚からの抽出精製による製法に頼っているというわけです.仮にEPAやDHAの人工合成に成功し,その技術を確立することができたならば,それは言葉に表せぬほど価値のある成果で,ノーベル賞受賞どころの話ではなくなるでしょう.研究者として最前線から退いたYUSAには技術ステータスは分かりませんが,開発動向には継続して注視いたし,アップデートがありましたら皆様に報告申し上げます.m(._.)m

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか.今回は少しケミカルでマニアックなお話を展開してみました.脂肪酸に関するより深い理解の一助になれば幸いでございます.

 

 

最後にもうひとつ.あらゆる企業や医療機関から,これほどの必須脂肪酸に関する有益な情報が発信され,我々一般人がその恩恵を受けることができるのは,世界に先駆けて超高齢社会を迎え,健康寿命の延伸を国家レベルの課題としている日本ならではのことと思います.そしてそれを可能にしているのは,魚食文化を伝承してきた先達の知恵と歴史が為せる業であることを,我々日本人は忘れてはなりません.我々日本人の身体には,EPAやDHAを摂取することで覚醒する遺伝子が組み込まれているのです.必須脂肪酸の摂取は,いつも頑張っているあなたのもうひと頑張りを,きっと後押ししてくれるはずです.

 

 

 

YUSAの両親は東北出身です

ストイックYUSA

2020年12月3日