2017/06/12 17:52
【ヒルクラ10%】目指せ、パーソナルベスト!【⑤停滞と打開】
by: 永平 宏行
このブログは、
・45歳
・10年のブランクライダーが
・パワトレで
・ヒルクライム上位10%に
・1年で入る
楽しくも苦しいチャレンジ
「ヒルクラ10%」
の記録です。
パワトレの専門用語については↓こちらで解説しています。
「ヒルクラ10%」第5回目の今回は、
突如訪れた「体力の伸びの停滞」、
そしてそれをどうやって「打開」したかについて。
16年7月から始めたパワトレで、推定FTPが7月の195Wからの11月265Wと、短期間で約136%も向上。
詳しくはこちら↓
【パワートレーニング】速く、楽に!貧脚こそ効果大!【①エビデンス】
元が低いのでやることやれば、伸びしろが大きいので、
それなりに上がるのは当たり前ではあるものの、
ドンドン上がるFTPに、
「そのうち300Wとか
いっちゃうんじゃない?」
なんてナメた妄想も抱き始めました。
しかし、世の中そんなに甘くなく、ピークを付けた11月の翌月から長い停滞の時を迎えます。
16年11月265W ⇒ 16年12月233W
急降下↓↓↓…
どうやら、パワトレで急激にFTPが向上したのち、値が急激に低下することは良くあるらしいです。
が、自分の調べた範囲ではそうした「事例」があることまでは分かったものの、「原因」や「対策」について見つけることが出来ませんでした。
その後、地道に通勤SSTと、
週末のLTインターバル(峠でのL4、L5走)を繰り返すも、
2月半ばの推定FTPは235Wと12月から3ヶ月ずっと横ばい…。
2月の様子↓
おかしい!?
なぜ伸びない?
もうこれが伸びしろの限界なのか?
(計算上は最低でもFTP260Wは行けるはずなのに…)
パワトレやめよっかな…。
10%チャレンジもやめようっかな(家族以外誰にも言ってないし)…
と、弱気メンタルになってしまいました。
しかし、ちょっと冷静になって考えてみました。
「自分の“リミッター“って何だろう?」
リミッターとは制限要因、つまり成長を阻害している原因の事です。
考えた仮説は2つ。
- 筋力が足りないのではないか?
- 栄養不足なのではないか?
仮にこれらがリミッターだとすれば、打ち手も決まってきます。
【筋力が足りない】
対策
⇒高強度・低ケイデンスで筋肉に負荷を掛けるトレーニングを行う
10年のブランクの間にじわじわと落ちた筋力。これが原因で「そもそもの踏力」が少ないのではないか?と思い至りました。
パワー=踏力×ケイデンスなので、心肺機能が強化されても、踏力=筋力自体が向上しないと頭打ちになります。ましてやケイデンスは上げようにも限界がありますしね。
だから絶対値のパワーが必要となる「激坂」で踏み負けてしまうんですね。自分は平地の巡航スピードが遅かったのですが、これも筋力に原因があったと思われます。
【栄養が足りない】
対策
⇒プロテインを飲むw
基本、大食いなのでカロリーは足りているはずw。つまり、栄養の中身が問題だろうと。
トレーニングで傷ついた筋肉を再生・成長させるためのタンパク質が足りていなかったのではないか?と思い至りました。
筋肉が破壊されたまま、トレーニングを繰り返すと、どんどん筋肉がやせ細って行きます。
基本は食事から摂取するべき、と言っても、運動量・強度が高いとなかなか食事だけではまかないきれません。
「プロテイン飲むなんて、自分、競技者じゃないし、必要ないでしょ!」と思って敬遠していましたが、3ヶ月もFTPが伸びない現状に、なりふり構っていられません。多少の投資で解決することなら試してみよう!と考えるようになりました。
練習後にプロテインドリンクを飲むのはもちろん、手軽に補給できるプロテインバーや牛乳wも積極的に摂取しました。
↑レース直後も即プロテイン!
@ハルヒル
同、@富士ヒル!
運動後30分以内の摂取が理想的。
下山荷物に忍ばせました。
グリコパワープロダクション
「ゴールデンタイムプロテイン」がお気に入り。
回復に重点を置いた配合で、しかもおいしい!
↑通勤ライドにちょい足ししてアゲた日は、オフィスでプロテイン補給!
この仮説が恐らく合っていたのか?
3月にFTPが3ヶ月ぶりに上昇しました!
2月235W ⇒ 3月247W(+12W、約5%増)
3月に取り入れたトレーニングは、
・週末の峠のLTインターバルで“気持ち”重いギアを踏む
(登坂時間12分、平均斜度8%、ケイデンス70回転目安を3本)
・短い坂でL5~L6の高強度・短時間インターバルを通勤にちょい足し
(登坂時間90秒、平均斜度6%、ケイデンス70回転目安を6本)
これら2つを勝手に「筋トレクライム」と命名しましたw
いわゆる「SFR※」と似ていますが、違います。
※Slow Frequency Revolutions=重いギアで60回転以下の低ケイデンスの登坂をすることで、ペダリングスキルを開発するトレーニング(人により筋トレと説明されている方もおり、所説あります)
SFRほど重いギアは踏まず、ケイデンスも極端に落とさず、実用域のケイデンスの範囲で重いギアを辛抱して踏んで、筋力アップに主眼を置きました。
登っている最中は、
「これは筋トレだ!これは筋トレだ!これは…」
と呪文を唱えて、苦しさに耐えたのでした…
↑近所の坂を使って筋トレクライム後。
通勤前にちょい足しトレです。
さらに追加して、4月から取り入れたトレーニングは、
・勤務後の平日ローラー練でより効率的なLT強化
です。
取り組んだローラー練は、LT強化のためのL3~L5のメニューなので、リミッターとして仮定した「筋力」とは直接絡みませんが、5月のハルヒルまで時間が無いので、やれることは何でもやろう、と考えての取り組みです。
ローラー練によって、平日も効率的、かつ追い込んだLT強化メニューが出来るようになり、FTP向上に貢献したはずです。
やはり通勤SSTよりも断然追い込めます(当たり前)。
↑ワイズロード本部、バイオレーサーフィッティングスペース。
ここを私的に上司の許可を得て、退勤後にローラー練。
結果
4月も引き続きFTPが上昇!
2月235W
⇒ 3月247W
⇒ 4月257W(3月比+10W、約4%増)
2か月連続で毎月+10WペースでFTPが向上!
過去最高FTPの265W超えも視野に入ってきました。
仮説と対策メニューが当たったかどうかは定かではありませんが、とりあえず結果は出ました!
5月は第3週のハルヒル本番に備えて、週次で強度・頻度を管理。
4月までに伸ばした体力に最後の追込みを上乗せして、最後は回復に充てました。
・5月第1週
大型連休で家族とのお出かけを優先し、回復週。
平日トレ1日+週末ロング1日。
・5月第2週
最後の追込み週。強度・頻度とも高く。
ダメ元?で上乗せ。
平日トレ4日(連日TSS100以上)+週末ハルヒル試走2本。
・5月第3週
ハルヒル本番に向けて、レスト週。
運動ゼロだとなまるし太るので、平日に通勤リカバリーライドを3日。決して強度は上げず、体調維持とカロリー消費目的で。
本番前2日間は完全レストで体内グリコーゲンの貯蓄に努めます。
※レース前の調整方法は様々あります。上記はあくまで私のケースです。
そして、5月21日ハルヒル本番。
最後の追込み後に十分に体調を整えた結果、
目標としてきた
「上位10%に入る!」
を達成しました。
その様子は、先にアップした通りです。
【ライドログ26×ハルヒル!】10年のブランク明け1年でおっさんが上位10%を目指してみる【こっそり参戦】
そして、富士ヒルでも達成!
【ライドログ29×富士ヒル!】10年のブランク明け1年でおっさんが上位10%を目指してみる【こっそり参戦パート2】
レース本番に向けて体調を整えるのは、
トレーニングと同じくらい重要だと思います。
富士ヒル直前も同じパターンで調整しました。
レースじゃなくても、例えばFTP計測では、
疲労が溜まった状態と、回復した状態だと、
経験的に10w以上(5%程度)違います。
この違いがレース本番で出たら、最悪です。
レースには万全の体調で臨みましょう!
皆さんも、もし停滞期が訪れたなら、冷静に自分のリミッターが何なのか?仮説を立てましょう。
仮説を立てたら、そのリミッターを克服するのにどんなメニューが必要か、考えてみましょう。
その為のヒントは、書籍やウェブ上に色々とありますので、自分に合う方法を試してみましょう。弊社のパワトレ系スタッフにも是非ご質問ください。
最近では自転車のコーチの方も増えていますし、セミナーも開催されていますので、利用してみるのも良いでしょう。
トレーニングを軌道修正するのは、なるべく早い方がいいです。
特に自分のような歳になると、がっちり自転車に乗れる期間はもうわずかなので、時間がとても貴重ですからね。
次回は番外編。
パワトレの本筋とは違いますが、ヒルクライムとは切っても切れない?
「機材」
についてご紹介します。
この「ヒルクラ10%」以前の、
パワトレ事始めに関しては、
以下のブログで紹介しています。
パワトレの基本については、
こちらでご確認ください。
第1回「エビデンス」
第2回「動機」
第3回「やったこと」
第4回「パワートレーニングのメリット」
第5回「どんなパワーメーターがある?」
第6回「パワーは青天井?」
第7回「お役立ち情報」
パワトレの専門用語については↓こちらで解説しています。
大反響!
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