2017/06/12 17:28
【ヒルクラ10%】目指せ、パーソナルベスト!【④速く登る方法】
by: 永平 宏行
このブログは、
・45歳
・10年のブランクライダーが
・パワトレで
・ヒルクライム上位10%に
・1年で入る
楽しくも苦しいチャレンジ
「ヒルクラ10%」
の記録です。
6/14:消費エネルギー、体重、PWRの相関図を追加。
パワトレの専門用語については↓こちらで解説しています。
「ヒルクラ10%」第4回目の今回は、
どんなことをしたら速く登れるようになるのか?について。
大きく分けると、以下の3つの取り組みが必要となります。
- 持久的に出せる上限のパワー(FTP)の向上
=パワトレ - パワーウェイトレシオ(PWR)の改善
=FTP向上と減量のバランス - 機材の軽量化とカスタマイズ(第6回で詳しく)
以下、順番にそれぞれのポイントを紹介してゆきます。
【FTPを上げるパワトレ】
第2回でヒルクライムを選んだ動機でも書きましたが、
ヒルクライム対策のトレーニングはシンプルです。
ただひたすらコツコツとFTPを上げるためのトレーニングを積み重ねます。
(上位陣は競り合いもあり、ペースの上げ下げやスプリントがあるので、短時間・高強度系のメニューもある程度必要です)
具体的には、以下のようなパワートレーニングを行います。
・SST(スイートスポットトレーニング)
⇒最も効率的なFTPの向上策
FTPの88~94%がターゲット。
合計40分前後を練度に合わせて2~4分割してインターバルを行う。2分割(20分×2、レスト10分)が一般的。
レベルが高い選手なら合計時間を伸ばして行う。
・L4走(LT走)
⇒直接FTP域を刺激し、FTP域の走行に耐性を付ける。
時間配分は基本はSSTと同様だが、キツイので10分走2~4本とかが一般的。これも練度に合わせて合計時間と本数を調整する。
・L5走
⇒超FTP域であるVO2Max(最大酸素摂取量)域を鍛え、急勾配やペースアップなど短時間・高強度のシチュエーションに対応できるようにする。VO2Maxが上がると、FTPの底上げも期待できる。
合計時間20分前後を練度に合わせて、4本~8本程度に分割してインターバルを行う(レストは同じ時間取る。L5を3分ならレストも3分)。
相当キツイ!
・ロングライド
週末にまとまった時間が確保できるなら、パワーウェイトレシオ(PWR)を向上させるために、脂肪燃焼効果が期待できるL1~L2走(LSD~耐久走・2時間以上)や、基礎体力の向上が期待できるL3走(テンポ走・30分~1時間程度)を取り入れるのも良い。
特にシーズン当初の冬場や高強度のトレーニングに体が付いてゆけない人はここから始める。
慣れてきたら、その中に峠を組み込んで、L4走やL5走をしたり、定期的に峠のTTをして、タイムの向上度をチェックすると、内容に変化が出て飽きません。L1~L3のベーストレーニングとL4~L5の高強度トレーニングを一度にできるので、効率的。
【パワーウェイトレシオ(PWR)の改善】
「FTPのパワー÷体重」で計算した、体重1kgあたりの出力が(FTPの)PWR。この値で、その人の登坂力が分かります。
重力に逆らって「ライダー+自転車+装備」を持ち上げるヒルクライムでは、それらの重量によって、「登坂抵抗」が生じます。よって、持ち上げる重量が軽いほど、必要なパワーが少なくて済みますし、逆に重ければより多くのパワーが必要になります。
これを改善するためには、
「パワーを上げる」
「体重を減らす」
の2つの取り組みが必要です。
パワーを上げるトレーニングは前半に書いた通りです。
体重を減らすには、低強度のロングライドでの脂肪燃焼が効果的です。
また、食生活を見直して、カロリー収支(摂取カロリーと消費カロリーのバランス)を改善することも効果的です。
ただし、無理な減量はトレーニングの効果を減じてしまいますので、トレーニングに必要なカロリーは確保しつつ、栄養のバランスに気を配りましょう。
エネルギー源(炭水化物)、体の材料(タンパク質)、体の潤滑剤(ビタミン・ミネラル)を過不足なく摂取します。
特に高強度の運動で損傷した体を補修し、成長させるためには、タンパク質が欠かせません。トレーニング効果を最大化するためにも、栄養不足には注意したいところです。
↑オフィスで牛乳とプロテインバーw
タンパク質補給はアスリートには必須です。
無理なダイエットは避けましょう。
今回の目標達成のために必要なPWRは「4」。
体重の4倍のパワーを1時間出し続ける能力が必要です。
体重60kgなら240W、体重65kgなら260Wを1時間。
家族にヒルクラ宣言をした17年1月時点の体重は68kg、FTPは233、よってPWRが3.42W/kg。
ここから体重を減らすか、FTPを上げるか、その両方かで、PWRを4に上げることが目標となりました。
(ちなみにパワトレ開始時の16年7月の体重は72kg、FTPは190、PWRは2.99でした。低い!)
PWRについては、「つよポタミア」様のブログで詳しく紹介されていますので、リンクを貼っておきます。
ホビーレース上位入賞者レベルだと、体重の5倍のPWRは必須のようです…
自分からしたら、超人の領域ですw
速く登れるようになるために、やることをざっくりまとめると、
- 平日
ローラー台や通勤でSSTやL4走、時々L5走をしましょう。 - 休日
ロングライドでベースを向上しつつ、峠でTTをやりましょう。 - 体重を減らしましょう。
こんな感じです。
やっぱりヒルクラトレーニングは比較的単純ですね。
話をシンプルにするために触れていませんが、
・バイクフィッティング
・スキルトレーニング
・ヒルクライムのテクニック(ペース配分やタイプ別の頑張りどころ)
の3つも、速く、快適に、安全に、効率よく走るためにはとても重要です。
特にバイクフィッティングは、故障を防ぎ、効率を高める為になるべく早めに受けておく事をお勧めします。
ワイズロードですから、バイオレーサー5000、バイオレーサープレミアムがお勧めです♪
3つ目のペース配分には試走が役に立ち、パワーメーターが最高のパートナーになります。
タイプ別の頑張りどころに関しては、
を参照してください。
さて、そんな「速くなる方法」に取り組み、第1回で紹介した通り、目標のレースで「上位10%以内」に入ることに成功しましたが、その結果の「土台」となっている各種数値の推移を見てみましょう。
【1年間のパワトレの成果】
20分MMPの推移
5月、6月はレース優先で20分MMP計測をしていません。
4月がピークでそこから低下しているように見えますが、これはレース中でペースを抑えているためで、実際には同程度のMMP(270W)のはずです。
6月の257WがFTPペースだとして、これを0.95で割り返すと4月と同じ270Wとなります。
推定FTPの推移
20分MMPに0.95を掛けた推定FTPの推移です。
FTP190W⇒FTP257W、約+70W。
対1年前比、自身の感覚でも「別人」です。
ライドが一層楽しくなりました♪
体重の推移
MAX77kgから現在63kgに1年で14kg減。
約1kg/月の無理のない減量ペースです。
理由は体調維持とパワー低下防止のため。
極端に食事量を減らさず、カロリー収支を運動メインで
支出先行にしたためです。
登坂パワーが、ざっくり1kg=3W増と仮定すると、
あと1kg痩せてたら富士ヒルでシルバー獲れてたかもしれません。
逆にパワーが低下して、10%以内が未達だったかもしれません。
4ヶ月のパワー上昇停滞期を経験しているので、
個人的にはパワー低下を防ぐ(極端に食事を減らさない)方が
おすすめです。
PWRの推移
パワトレ開始時から憧れだった、
PWR4w/kgオーバーをついに達成!
ま~フィジカルに優れた人なら、自転車未経験でも
このくらいポッと出しちゃうと思いますがw
1年前の16年7月のPWRは2.99w/kg。
「低脚」から、「良脚・優脚」の間くらいまで改善しました。
憧れの坂道スイスイ走も出来るようになり、
ライドが楽しくてしょうがないです(レースを除くw)。
消費エネルギー、体重、PWRの相関図↑も載せておきます。
昨年7月のパワトレ開始から順調に体重は減少し、
10%チャレンジを決意した1月から消費エネルギー(練習量)が増え、
PWRは1月~2月の停滞期があるものの、右肩上がりで向上しています。
途中で停滞期があり、紆余曲折しましたが、
何とか結果が出てほっと一安心です。
あとはトレーニングと同じくらい大事なのが、休養。
体はトレーニング中に強くなる訳ではなく、休んでいるときに強くなります。
トレーニング効果を正しく発揮させるためにも休養を意識的に取りましょう。
特に自分のように歳をとってくると、回復に時間がかかるので、栄養補給と睡眠、入浴やストレッチでの体のケアがとても大事になってきます。
パワートレーニングバイブルによると、マスターズで選手レベルのトレーニングをする人なら、8時間は睡眠をとった方が良いそうです。
ヒルクライムで速く走る方法は、こうしたトレーニングと休養をコツコツと積み重ねて行くだけです。
うん、文字にすると簡単そうですね♪
でも、実際にはかなりキツイので投げ出したくなりますが…。
(特にローラー練は修行の域に入ってます)
次回は、
妄想を打ち砕く「体力の伸びの停滞」と、
どうやってそれを「打開」したか?についてご紹介します。
この「ヒルクラ10%」以前の、
パワトレ事始めに関しては、
以下のブログで紹介しています。
パワトレの基本については、
こちらでご確認ください。
第1回「エビデンス」
第2回「動機」
第3回「やったこと」
第4回「パワートレーニングのメリット」
第5回「どんなパワーメーターがある?」
第6回「パワーは青天井?」
第7回「お役立ち情報」
パワトレの専門用語については↓こちらで解説しています。
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